ジェシー論 〜最強の男〜
我らがセンター、ジェシー!
24歳の誕生日おめでとうございます!!
この論シリーズ、本当はジェシーの分は最後までとっておくつもりだったんですが、書きたいことができてしまったので書きます( ´_ゝ`)
以前の論シリーズです↓
mtmrleon.hatenablog.com
mtmrleon.hatenablog.com
さあ今回も2本立てです。
1. SixTONESの笑いを考える
ジェシーについてどうしても書きたくなったきっかけは、大学の講義で聞いた笑いのカテゴリーについての話です。しばらく教授の話をほぼコピペします。
コメディアンには、「身体的笑い」をやる人と「情報的笑い」をやる人がいます。
(その他にも種類があるのかもしれませんが、私はお笑いに詳しくないのでとりあえず授業に出てきた2種類だけで進めさせてください)
「身体的笑い」とは、いわゆる道化のこと。チャップリンや植木等がわかりやすいでしょう。滑稽な動作や、(チャップリンは無声映画ですが)特徴的な喋り口調などの身体表現で笑わせるものです。
対して「情報的笑い」は、タモリやバカリズムなど、言語と頭を使うお笑いです。面白い事柄をただ立って説明するだけで成り立ちます。身体表現は必要ありません。
「身体的笑い」と「情報的笑い」の決定的な違いは、コピー可能か否かです。「情報的笑い」はコピーが可能です。その人自体ではなく、ネタが面白いだけなので、ネタさえあれば誰が喋っても成り立ちます。みなさんもバカリズムの都道府県フリップを自作してお友達を笑わせることができます。
一方「身体的笑い」はコピーができません。その人自体が面白いので、その人以外がやっても何にも面白くないんです。チャップリンの真似なんてしようと思ってもできません。「身体的笑い」は、その人独自の「達人芸」なのです。
「身体的笑い」の例として、教授が竹中直人の「笑いながら怒る人」を見せてくれました。古い映像ですが、こちらです。
こんなの竹中さん以外がやっても面白くもなんともないですよ(笑)ていうか面白いのかどうかもよくわからない。でもなんか笑っちゃう。
私はこの映像を見た時、真っ先に思ったんです。
「ジェシーやん」
これを読んでくださっているみなさんは、参考映像など引かなくてもジェシーのギャグの一つや二つ、すぐに思い浮かべてくださると信じています。
一番わかりやすいのはドナルドたけしさんではないでしょうか。ドナルドダックのモノマネの上手さだけでは説明のつかないあの面白さ。無駄にスタイリッシュな(無駄じゃないですごめんなさい)イケメンが、手足の長さを持て余しながらドナルドダックとビートたけしをフュージョンさせるというカオス。「ロナウジーニョ! DAHAHA」もう何が面白いのかよくわからないのに笑ってしまう。これは、ジェシーにしかできないお笑いです。
他の場面でも、別に大したこと言ってないのにジェシーが言うからなんか笑ってしまうこと、ありませんか? それこそあのAHAHA笑いもジェシー特有のものですもんね。
(「AHAHA」という笑い方をブログなどで自ら表記することで、「笑う」というプライベートな行為自体を商品化するという、アイドルサイボーグジェシーの恐ろしい面もあるのですが……これは本筋からそれるのでこの程度にしておきます)
みんなで楽しめるズドンにしたって、Mr.ズドンはジェ……ゴホンゴホン、Mr.ズドン一人だけ。ズドンを「芸」として扱えるのは、この世でジェシーただ一人です。
「身体的笑い」は、ともすると、「からかい」になりかねない危険性を孕んでいます。
動きが変だから笑う。喋り方が変だから笑う。太っているから笑う。外国人だから笑う。笑わせる意図のない身体をからかって笑うこともできてしまいますし、本来笑いとは関係がないはずの自分の身体を自虐して芸に置き換え、自らからかわれに行くような、あまり褒められたものではないお笑いもこの国には数知れず存在します。現代の「身体的笑い」の例も挙げようと思ったのですが、あまりにこのボーダーに引っかかりそうな人が多くてやめました。
真っ当な「身体的笑い」に必要不可欠なのは、「笑わせる意図」。そして彼自身にしかできない「達人芸」。あるいは「スター性」です。
ですから私はやっぱりこう言いたい。現代日本で「身体的笑い」をやっているのはSixTONESのジェシーだ、と。
ジェシーはからかわれることなんてありませんからね。ジェシーの声が変だから、動きが滑稽だから、外国人だから……私たちがそんな理由でジェシーを笑う場面は一度もありません。いつだって、ジェシー自身が陽気に私たちを笑わせてくれるから、素直に笑わせられているんです。
ジェシーはいつでも我々の数段上にいます。ドナルドでは滑稽に持て余していた長い手足が、パフォーマンスではダイナミックにしなり、唯一無二の武器になります。普段は親しみやすいのに、時折ぞっとするような目つきを見せ、どこか近寄りがたい恐れを抱かせます。チャップリンをも引き合いに出せてしまうほどの底知れなさとスター性、カリスマ性を、私たちはジェシーに見ているのです。
では「情報的笑い」はどうか。こちらは、私の考えですが二つに分けられる気がしています。一つは関西の古典的な話芸を代表とする、ロジカルな笑い。もう一つは、関東のお笑いによく見られるシュールな笑いです。
本能に訴えかける「身体的笑い」とは違い、「情報的笑い」には聴衆にある程度の理解力が要求されます。ロジカルな笑いには、例えばバカリズムの都道府県ネタなら「日本には◯◯県がある」「◯◯県は手で持つものではない」という前提知識、そして情報処理能力が。シュールな笑いには、そのシュールな世界観の何が面白いのかを理解するセンスが……
これもスト担のみなさんなら直感的に頷いてくださると信じていますが、SixTONESにおいては、ロジカルな笑いは松村北斗、シュールな笑いは森本慎太郎だろうと思います。
その人のお笑いのセンスを掴むのに、ジングルほどわかりやすいものってないですよね。特に「情報的笑い」では。ジェシーはある意味存在がお笑いみたいなものなので、バラエティで口を開けばどんどん爆弾を投下できますが、ジングルのような狙うネタはわりと不発です。対して、「情報的笑い」はそれこそ頭を使って狙うものなので、ジングルでその強さとヤバさを発揮します。
ロジカルとシュールだったら、まだロジカルのほうが一般聴衆にわかりやすいでしょう。頭で理解するわけですから。だから松村直樹のジングルはひえおじにヒットします。
シュールは本当に、わかる人にしかわからない。私はめちゃくちゃ好きです。こないだの慎太郎の、PCを使って音を重ねた合唱のジングル、あれは大人計画が見えました。
田中樹「ヤバいヤバい、怖い世界に行っちゃう」
そう言う樹のボケは小学生男子の下ネタの延長線上な気がするけど(笑)
末ズは似た者同士に見られがちですが、こう考えると笑いの方向性がけっこう違いますよね。ジェシー、北斗、慎太郎、各々が各々の方向性で好き勝手にボケているという何とも無邪気な有様。そして冷静に(?)処理してくれるゆごじゅりがいて、笑いなんて度外視で我が道を突き進む京本がいて。狙ってないのに面白いから天然って言われるんですよ、坊ちゃん。
話をジェシーに戻しますが、「身体的笑い」の何が強いって、繰り返すようですがコピーされないことなんです。ジェシーと同じお笑いをしようと思ったら、それは「ジェシーのモノマネ」になってしまう。あたかも自分のネタのように披露することは不可能です。
「情報的笑い」にもジングルだったりブログだったり特有の強みがありますが、やっぱり「身体的笑い」の「唯一無二」という強みは大きい。しかも、持って生まれた才能であって誰にも真似できないので、「身体的笑い」をやれる人間はほんの一握りなんです。
そんな、天性の「身体的笑い」をふりまくジェシーがSixTONESにいること……めちゃくちゃ強くないですか?
いや、知ってます。ジェシーは最強。そんなの最初から知ってます。
2. ジェシーのセンター性
さあ、そんな最強なジェシーがSixTONESのセンターにいることについて。
実は京本論でも松村論でもセンターとしてのジェシーを論じているのですが……(笑)ジャニヲタたるもの、どうしても「センターとは何ぞや?」という命題に惹かれてしまう生き物。今回も懲りずにセンターを語ります。
一応ジャニーズ全体を網羅的に見ようとしている人間ではあるので、歴代ジャニーズと比較して言いますが、ジェシーに似てるジャニーズっていないですよね。ジェシーっぽい人を思い浮かべようとしても、ちょっと思いつきません。ギャガーならいますが、センター兼ギャガーは特殊すぎます。
そもそもジャニーズのセンターといえば、童顔・低身長が相場というもの。ジャニーズには実際どんなセンターがいるのか、他のグループのセンターをいくつかの種類に分けてみましょう。複数のメンバーがセンター格に該当しそうなグループはいくつか割愛しました。また、一人が複数のタイプに該当している場合もあります。ご了承ください……
⑴ザ・ジャニーズの美少年センター
小柄で童顔。華がある。ジャニーさんの好み。どちらかといえば寡黙なことが多い。
例:森田剛、松本潤(初期)、渋谷すばる、山田涼介(初期に中島裕翔から変更になったが裕翔もおそらくこのタイプだった)、佐藤勝利、宮近海斗、西畑大吾、嶋﨑斗亜
⑵やんちゃな少年センター
これもジャニーさんの好み。美少年ではあるが⑴のように薄命そうではなく、はつらつとしたやんちゃ坊主。
例:諸星和己(光GENJI)、中居正広(初期のSMAPのキャラクターに詳しくないので自信がないです。有識者求む)、髙橋優斗
⑶わかりやすくビジュアルセンター
伝統的な美少年性ではなく、青年期のチャラいカッコよさが重視されたYou&J時代とその系譜に顕著。
⑷末っ子センター
森本論(森本慎太郎論 〜5月1日に末っ子を語る〜 - もうとろろ食べられます)内で論じた「末っ子」の類型。大柄な場合もあるが、「年少者」ということによって少年性を帯びている。
(重岡大毅及びジャニーズWESTに関してはいろいろと細かく言いたいことがあるのでまた別の機会に! 忘れてませんよ! とだけ今は言っておきます)
ジェシーはこのどれもに該当しませんよね。強いて言うなら、5つ目のこのタイプに分類されるかなと思います。
⑸全知全能センター
圧倒的カリスマ性を持つ。神格化される場合もある。
例:錦織一清(少年隊)、大野智(センターというか概念的なグループの中心)、渋谷すばる、平野紫耀、ジェシー
全知全能センター……これカッコよすぎて何度でも言いたいな。
大野さんやすばるさんがファンの間で神格化されてきたことはもはや周知の事実かと存じます。ジェシーも往々にしてteam SixTONESの精神的支柱、太陽神、ジェシーがいるから大丈夫みたいなとこありますよね。つまりめちゃくちゃ強い。
ちなみに少年隊のニッキ先輩、ファンの間でどう扱われていたかまでは存じ上げないんですけど、死ぬほど強いんですよ……文字通り全知全能……歌もダンスもアクロバットもジャニーズ史上最高峰、おまけにお顔がとんでもなく美しく、そのうえめちゃめちゃ喋るわボケるわおもろいわ。ニッキさんほど非の打ち所のないジャニーズは二度と現れないと思います……
平野くんは今後どのような存在になっていくかわかりませんが、彼のカリスマ性、「平野紫耀がセンターじゃなかったら一体誰がやるんだ」となってしまうあの絶対性、これは揺るがし難いなと思うのでこちらに分類しました。
もちろん⑴〜⑷のタイプが劣っているとかそういうことでは全くないのですが、とりあえずジェシーが激強センターの一人なのだということをご理解いただければ。
しかしジェシーのセンター性は、これだけでは説明し切れません。
センターとして他と明らかに異なるジェシーの特色、それは
・デカい
・面白い
これに尽きるでしょう。
「デカい」からいきます。
⑴〜⑷のセンターを見ればお分かりいただけるかと思いますが、ジャニーズのセンターはどこか少年らしさを帯びています。見た目がそのまま童顔低身長で少年っぽかったり、痩身の美青年であったり、最年少だったり。
彼らは「ジャニーズ的美の擬人化」とも言えると思います。ジャニーズ的な美が、世に言うイケメンというよりも美少年を指すことは、ある程度他のグループも流し見ているジャニヲタのみなさんならもちろんおわかりでしょう。そんな、極めてジャニーズ的な美少年を、ジャニーさんは意図的にセンターに置くのです。これが「ジャニーズらしさ」を作り出していると言えます。
ジェシーはどう見ても正反対です。デカい。なんならグループで一番デカい。しかもヒョロくもない。言ってしまえば威圧的。年少者ではありますが、バカレアでは慎太郎がフロントだった時点で、ジェシーを「末っ子」類型に含めることは難しいと思われます。
ジャニーズのセンター観を覆すかのようなジェシー。それもそのはず、SixTONESはジャニーさんの意志でできたグループではありませんね。ジャニーさんは確かにジェシーを寵愛していたかもしれないけれど、どこかのグループのセンターにしようという意図はなかったわけです。ソロデビューさせるつもりだったと聞き齧ったのですが事実ですか?
メンバー自らが組んだグループにおいて、ジェシーはジャニーさんの一存ではなく、メンバーの、民意のセンターなのです。ここがミソです。
ジャニーさんの決めるセンターには、そのグループの特色プラス、「ジャニーズらしさ」が込められていると述べました。どのグループをとっても、ジャニーさんの目指す美少年的な美を帯びている。これはジャニーさんの創造物ですから避け難いものです。
しかし、SixTONESはまるっきりジャニーさんの創造物というわけではありません。「SixTONESらしさ」はSixTONES自身が創りました。少年性の薄い⑶時代の系譜を継いでいることもあり、ジャニーズ的な美とはほとんど無関係にグループの方向性が形成されました。
その「SixTONESらしさ」の象徴が、デカくていかつくてスタイリッシュなジェシーなのです。
ただし、だからといってSixTONESは全くジャニーズらしくないかといえば、そうではありません。SixTONESがとてもジャニーズらしいグループであることは、スト担が一番よく知っていることと思います。
では、そのジャニーズらしさはどこから来るのか。
センターということにおいては、やはり京本大我でしょう。
ジェシーに準ずる形でセンターを張る京本。彼は一歩SixTONESの外に出れば大柄なほうですが、SixTONESの中では一番身長が低く、華奢で、色白で中性的な顔立ちも相まって美少年的に見えます。グループ内で最もジャニーズ的な美といえるでしょう。センター分類では⑴のタイプに該当します。
「ジャニーズらしい」京本と、「ジャニーズらしくない」ジェシーが2人でセンターに立つ。これが、「ジャニーズらしくないけれどとてもジャニーズらしい」というSixTONESのパラドックスを成り立たせているのです。やっぱりSixTONESは京ジェなんです……
そして、「面白い」。
前半の話を無理矢理持ってきてうまくまとめようという魂胆が見え見えですね。
ジャニーズ的な美には、少年性ともう一つ、悲劇性があります。
これもある程度のジャニヲタさんにはわかっていただけると思いますが、ジャニーズ作品はとにかく人が死ぬ。嬉しい楽しい幸せ〜なだけの舞台などありません。
センター⑴タイプの美少年って、薄命そうなんですよね……それこそ京本だってそうじゃないですか。ジュン死んだしな。これはジャニーズに限らず、少女漫画における耽美もの(萩尾望都とか竹宮惠子とか。BLの原初です)でもそうなんですが、美少年には悲劇がつきもの、いや、美少年であるためには悲劇が必要条件なんです。これも大学の授業の受け売りです。
しかしジェシーはどうでしょう。
ジェシーはめちゃくちゃ面白い。死ぬほど喋る。死ぬほどボケる。とっても陽気で社交的。
悲劇的か喜劇的かで言ったら、まず真っ先にやってくるのは喜劇ではないでしょうか。ズドン。
悲劇が娯楽になるのは、現実が平和な時だけですよね。好景気の時代には暗い歌が流行り、不況の時代には明るい歌が流行るという法則は周知の通りです。
スト担の中には、「SixTONESに救われた」という人が多いように感じます。アイドルをただの娯楽ではなく、恩人、そして人生の指針のように見ているのです。そうするとひょっとしたら、私たちの現実は、救いを求めたくなるほど苦しいのではないでしょうか。
この国、そして世界全体で見ても、資本主義の限界が訪れつつあり成長が停滞し、先行きの見えない不安が常に存在しています。平和を願うジャニーさんの思いに、現実はもはや即さず、私たちは悲劇を娯楽として消費する余裕もないのではないでしょうか。
そんな私たちの前へ、天性の喜劇性を持ったジェシーが現れました。
圧倒的なスター性があり、いつでも私たちを笑わせてくれるジェシー。私たちは彼の存在に救われながらこう思うのです。「ジェシーがいるから大丈夫」。
そして、ジェシーはただ底抜けに明るいだけの人物ではありません。不意にほのめかされる諦念。自問の末に選んだ今の生き方。
悲しみに裏打ちされているからこそ、ジェシーの喜劇は誰の心にも寄り添うのです。
まあ要はジェシーは最強ってことです!!!
ジェシーについて書くのはちょっと恐ろしかったというか、私なんかにジェシーはわからん……と思っていたのですが、いたずらに内面へ踏み込むことなく客観的に評価すれば案外いけましたね……! きっかけを与えてくれた大学の先生に感謝です。
ということで、論シリーズ第4段、ここまで読んでくださってありがとうございました。
第5弾は……あれっ? うそ? 4日後!? 大急ぎで考えます!!! 6月11日〜18日の忙しなさよ!!! お祭り騒ぎだな!!!
ジェシーちゃん、24歳の誕生日おめでとう!!!!!!
きょもほくのジェンダー論
きょもほくという一大命題について、新たに考えたことがあるのでシェアします。例によって主観のオンパレードですので、論拠ヨワヨワです。解釈違いはご容赦ください。
以前きょもほくについて書いた記事です。後半で語っております。
こちらはきょもほくの価値観、主に「正しさ」の違いを取り上げ、「きょもほくは宗教戦争である」と定義しました。
さて今回は、題しました通り、きょもほくをジェンダー的な観点から捉えてみようというお話です。
何を言ってるんだ、2人とも男じゃないか。どこに男女の問題が。ええ、そういったご感想もあるでしょう。
まずは一旦聞いてください。常々、私はこう思ってるんです。
「京本大我は男になりたい幼女であり、松村北斗は幼女になりたい男である」
すみません、この時点で倫理観がいろいろアウトですね。こいつやべえ頭沸いてると思った方は、そっとブラウザバックしてください。そっと。
話を戻します。
いや、幼女は確かに言い過ぎました。なりたいも言い過ぎたし、であるも言い過ぎました。でも一方で、あながち間違ってもいないと思うんです。詳しく説明していきます。
まず京本さん。女性と見紛う中性的な美しさと、実力主義で己に厳しい男性的な内面を併せ持っています。ここに見られる葛藤は、男性社会に飛び込み、男性と互角に働く女性たちに重ねることができるのではないかと思うのです。
京本大我は、もちろん、生物学的に男性です。しかし、ジェンダーとは「社会的な性」のことです。社会的な性を考慮した時、京本大我には、「女性」の要素が入り込んでくるのです。
彼はご両親の血を引き見目麗しく、幼い頃から女の子に間違われることも少なくありませんでした。また、箱入りの一人っ子で運動が苦手、絵を描くのが好きという「男性的でない」性質も相俟って、「男性らしさで評価されない」また「女性のように甘やかされる」という、彼の社会的に「女性的」な側面が構築されていきます。
しかし、京本大我は男です。生物学的に男であり、そして性自認もほぼ間違いなく男でしょう。また、冒頭に貼ったブログ内で、京本さんは自分の外側に正しさを求めているという趣旨を述べましたが、外側、つまり社会の正しさを信じている彼は、当然社会的な「正しい男性」に当てはまりたがる傾向も強いと思われます。それはそもそも彼が「正しい男性」とかけ離れているから、という可能性もありますが……卵が先か鶏が先かはわかりません。
とにかく、そこで私はこう推測するのです。京本大我には、少なからず「男性性コンプレックス」があるのではないかと。生まれや容姿ではなく、実力や業績など、「男性的」な要素で認められたいという欲求があるのではないか、と。
「女性だから」という理由だけで、働かせてもらえない。給与が少ない。昇進できない。家庭に押し込められる。そんな、男性と同じ基準で働きたい女性たちの葛藤と、京本さんの「男性性コンプレックス」は非常に親和性があるのではないかと思うのです。京本さんは、生まれついての家柄や容姿によって、世の女性たちが抱えるジェンダーの問題とよく似た戦いを強いられてきたのではないでしょうか。
では松村北斗はどうでしょう。彼も家庭内では末っ子で、やはり箱入り息子として育ちました。しかし、少年時代こそ美少女のような容姿を持っていたとはいえ、京本さんほど極端なものではなく、大きく取り上げる要素ではないように思います。
北斗について着目すべき点は、彼の趣味嗜好です。音楽だけでも、欅坂46、坂口有望、ずっと真夜中でいいのに、ヨルシカなど、メンバーの中でも特に女性ボーカルの曲を多く聴いていますよね。一方京本さんは、一部を除いてほとんど男性ボーカルのロックです。
それから北斗は、小説でも湊かなえさんや西加奈子さんなど女性作家のものを好んで読んでいます。また映画に関しては、最近、ジャニーズwebで「意外と恋愛ものが好き」だと公言していました。
彼の趣味を追っていると、どうも「少女神」的なものを信じる傾向があるように思うのです。追うというか、平手友梨奈ちゃんが好きでパフォーマンスを真似る時点でもうそれじゃんって感じですが(笑)
あるいは、恋愛観において「コンプレックスのある人に惹かれる」「自分と似ている人が好き」という、女性との共感を求める側面も見られます。
松村北斗は、どうも女性の内面に惹かれる傾向がありそうです。「男性性からの逃避」とまで言えるかはまだ検証が足りていないので保留にしますが、家庭では大事に守られて育った彼ですから、社会における「男性的」な役割を担うには心が追いつかない面もあるのかもしれません。
「京本大我は男になりたい幼女であり、松村北斗は幼女になりたい男である」で言いたかったことを、なんとなく理解していただけたでしょうか。
そしてこの主張の証左として、というかきょもほくとジェンダーを絡めて考えるきっかけとなったものなんですが、私はYouTubeのリモート動画におけるきょもほくに着目したいのです。
動画を再生して、まず私が受けた印象が、
「京本かっこつけてる!!北斗可愛こぶってる!!」
でした。
伝われ。
いや、メス村北斗の最たるものはもちろんこれです。
最初見た時びっくりしちゃった。メスっていうかもはやマリア。腹筋痛くて全然見進められなかったし2回目を見る勇気がない。
何が言いたいかって、これ、自撮りであり、(マリアは違いますが)ビデオ通話なんですよ。つまり、撮影中は自分の顔がずっと目の前の画面上に見えているわけです。すると、自ずと自分が客観的にどう見られるかを普段よりも意識することになる。そこで何が起こるか。画面の前で、無意識に「自分はこう見られたい」という願望通りの振る舞いをするんです。
つまり、こう言えます。
京本大我はかっこよく見られたい。
松村北斗は可愛く見られたい。
ここで私が絡めたいのが、きょもほくの「承認欲求」です。
京本と北斗の承認欲求が若干強めなのはみなさんお察しかと思います(笑)2人とも箱入り息子だからしょうがない。いや、悪いとは言ってませんよ。「俺はね!俺はね!」って、自分の話し出したら止まらないのメチャ可愛いんで一生やっててください。
話を戻します。きょもほくについて考える時に、2人の共通点と相違点を炙り出そうという方向性になるのは避けがたいことです。少なくとも私はそうです。2人はどこが似ていてどこが違って、だからどのように「馬が合わない」のか。そんなことをずーっとずーっと考えています。その一環として、京本論では「価値観の違い」を述べました。
そこに加えて、私は今回こう提唱したい。きょもほくは、「承認欲求の種類が違う」のです。
2人の承認については、「男性として評価されたい」「女性に共感したい」でなんとなく結論づいているようにも見えますが、さらに事実に即して深めていきたいと思います。
まず京本さんが、実力や業績などの「男性的」な面を評価されたがっているのは周知の事実です。先輩やメンバー(特にT中氏)からデロッデロに甘やかされ、一見承認欲求はすぐに満たされるように思いますが、あくまでも彼が重きを置いているのは仕事、特に歌。親の七光りだとか、ジャニーさんの言った「(ピンクの)髪色に頼っている」だとか、見かけ倒しの評価には非常に反発します。大人になって折り合いがつきつつあるとはいえ、根底にはそういった、外見しか見ない評価、いわゆる「まなざされる」ことに対するわだかまりは残っているのではないかと思います。
あるいは、そこに自覚的でなかったかもしれない京本少年に、あえて厳しく接することで、より実力主義的傾向を引き出したのがジャニーさんということなのかもしれません。結果として京本さん自身は少なからず苦しむことになりましたが、その反面、「男性性コンプレックス」は彼の原動力にもなっています。ジャニーさん、慧眼と言うべきか、罪深いと言うべきか。
一方、北斗に顕著なのは「友達がいない」という発言です。私からしたら電話しまくれる親友が2人もいるんだから十分じゃねえか!とは思いますが(笑)、北斗本人からしたら友達がいないんですって。あっそう。いやそういう話ではなくて。
べつに友達がいなくても全く気にしないのなら、わざわざ友達の有無に言及することなんてないんです。しきりと「友達がいない」を繰り返すのは、裏を返せば「友達」に執着しているから。具体的な友人というより、「友達」という概念そのものに、と言ったほうが正確でしょうか。端的に言えば、というか京本さんに対する定義のし方を踏襲すれば、松村北斗には「友達コンプレックス」の傾向があると言えるのではないでしょうか。
では、その場合の「友達」とは一体何か。私は、「愛」だと思うのです。無償の愛。
恋愛ものが好き、という話も先ほど出ましたが、それも愛に飢えている証左ではないでしょうか。いや何万人に愛されてると思ってんのよアンタ。でもその愛を素直に受け取れないひねくれた自己肯定感の低さがなぁ〜〜〜っ!そんなところも好きだよ!!!
とにかく、松村北斗の求めているものは、業績や役割への対価としての評価ではないんです。自分の存在をありのままで包んでくれる、無償の愛なんです。母性とも言えるかもしれません。彼がどこか女性という存在に傾倒しているのは、こういった愛への渇望の表れではないでしょうか。
ここでちょっと、あることに気がつきませんか?
何もしなくても甘やかされる京本大我。それでも彼は、自分の実力を、男性性を見てほしいともがいています。外見だけで容易く愛されがちな彼だからこそ、その望みは叶えられ難いものなのです。
そして、無償の愛が欲しい松村北斗。彼はそのクールな風貌と色気を武器に、グループの一番人気として、数々のランキングで上位に入っています。でもそれだけ認められていながら、北斗のグラスにはひびが入っているので常に渇いているのです。
もうお気づきでしょうか。
きょもほくは、一方が欲求、いや渇望している「承認」を、もう一方がすでに持っているのです。それは両者とも、生まれついての性質として。
想像してみてください。そんな存在が近くにいたら、絶対に嫉妬するじゃないですか。
なんで京本ばっかり何もしなくても甘やかされて大事にされるんだろう。
なんで北斗ばっかりランキング上位に入ってかっこよさで評価されるんだろう。
どちらの立場に立ってみても、胸が苦しくなります。
とまあ、暗〜い話になってしまいましたが、きょもほくの間に渦巻く複雑な感情の一つにこういった、承認欲求のすれ違いがあるのではないかというお話でした。
きょもほくはもちろん一言で言い表せる関係性ではなく、他にも芸術表現の観点だったり、グループ結成前後の事情だったり、様々な角度から考察が可能だと思います。また、今回の内容に関しても、あくまで目立った傾向があるというだけです。女性に甘やかされたい京本さんもいますし、毒舌を吐いてかっこつけたい北斗もいますし(笑)人の感情や欲求は様々な要素が入り混じっているので、一概にこうとは言い切れません。それをいちいち取り出して文章にしていては、2020年が終わってしまいます。
以上、あくまでも私の個人的・主観的な見解でした。解釈違いは悪しからず。
普段よりコンパクトになりましたが、読んでくださりありがとうございました!
来月はブログの更新予定が立て込んでます(笑)
がんばりま〜す。
世界へ至る「松村北斗」のビジュアル
改めまして、松村北斗くん、
〈ViVi国宝級イケメンランキング【2020年上半期】〉第2位
おめでとうございます!!!!!!
今回の結果を受けて、改めて「松村北斗」のビジュアルについて私が考えたことを共有します。
ここで括弧を用いているのは、今回扱うのが松村北斗の人間性ではなく、顔のつくりや体つきなど、彼の身体そのものだということを示すためです。
いや〜造形美。
私のブログは往々にして冗長になりがちですが、今回は簡潔を目指そうと思います……
それから、「世界へ」と題しましたが、ジャニーズ以外、洋楽やK-POPに関しては全くの門外漢。世界で何が人気とかはさっぱりわかりません。ですので今回も安定に主観ゴリゴリゴリラです。間違いだらけかもしれませんが叩かないでください……(笑)
本題に参ります。
まずはこの問題について。
松村北斗はイケメンである。では、どうイケメンなのか。
王道とは言い難い。よく塩顔と表現されますが、単なる流行りの塩顔とも少し違う気がします。
塩顔は全部が薄い。シュッとした輪郭、控えめなパーツ、見るからに草食系の好青年。
しかし松村北斗は、エラの張った特徴的な輪郭。凛と尖った鼻、設計されたような唇。どこか陰のある、見る者を捉えて離さないその雰囲気。
明らかに、紋切り型の「塩顔」とは一線を画しています。
ですから、あえて言うならば「個性派」に分類できるでしょう。そしてそれだけではなく、私は彼のパーツに注目したい。単なる個性的な顔なのではなく、パーツひとつひとつに、全時代に通用する、ある種芸術作品的な美しさがあります。つまり、いわば古典美術を学び尽くした作家の手がけた前衛作品のような。むやみに奇を衒っただけの個性ではない、きちんと「美」の基本を踏まえた上での「個性」なのです。
松村北斗の顔は、塩顔ブームが去っても残り続けます。そして、ナンバーワンではなくオンリーワン。誰にも揺るがすことのできない、唯一無二の「イケメン」なのです。
はい。ちょっと壮大になってしまいました。塩顔も素敵だと思います。
続いて、では「世界へ」と題したのはどういうわけなのか。
SixTONESが本気で世界を目指すなら(目指してますが)、「松村北斗」は強力な戦力になる。私はそう考えています。
SixTONESがSONGS OF TOKYOに出演した時、雛壇の海外ファンの方が、「海外ではセクシーさが大事」といった話をしたのを、みなさんも覚えているでしょう。
ではその「セクシー」とはなんなのか。海外志向の強いスト担のみなさんならなんとなくおわかりかもしれませんが、わかりやすい記事があったので一部抜粋してご紹介します。
どうもヨーロッパでは「セクシー」というのは完全にポジティブなイメージで、日本のように「露骨な性的アピール」とか「はしたない」と解釈する考えはないようです。(文脈にもよるかもしれませんが)。
(中略)
欧米でうまれたそもそもの「セクシー」は、そこまで性的な意味合いが強いものではないのかもしれません。「異性を惹きつける魅力がある」ということが前提としてあるものの、女性であれば美しさや柔らかさであったり、男性であれば力強さだったりと、男女がそれぞれの性本来の魅力を発揮することなのではないでしょうか。
(引用:セクシーな男になりたいドイツ人ダーリン…「セクシー」って何? | 19歳のドイツ人ダーリンとわずか1日で恋に落ちて)
日本では、「セクシー=エロい」になりがち。しかし世界のSexyは、もっと広い意味で「魅力的」ということなんだと思います。
多様な性のあり方が求められる現代において「男らしい」「女らしい」なんていう言い方はよろしくないかもしれませんが、やっぱり背が高くてがっしりと引き締まった肉体に「カッコいい♡」となるのは、良い悪いではなく、大衆のニーズとして現実にあるものです。特に欧米圏では。
さて、ここで超・門外漢の領域を引っ張ってみます。今世界で最も成功しているアジア人といえば、真っ先にBTS(防弾少年団)でしょう。BTSの国別人気メンバーランキング(まとめサイトと知恵袋なので信憑性なんかあったもんじゃないですが、参考程度に!!!)をざっくりと比較したところ、面白い傾向が見られました。
BTSのみなさんがこちら↓
参考にしたランキングがこちら↓
BTS(バンタン)メンバー人気順最新ランキング!海外・日本・韓国で違う?
BTSのメンバー人気順教えてください - ー日本、その他海外ーテヒョングクジミン... - Yahoo!知恵袋
テテさんはそりゃどこでも強い。あんな美形、天上界にしかいないもの。
しかし、日韓よりもアメリカで順位が上がっているのが、目つきが鋭く男らしい印象のナムジュンさんやジミンさん。反対に、ザ・韓流美形のジンさんはアメリカでの順位が下がっています。
やはり、欧米圏では、東アジア圏よりも男らしさが重視されていると言えるのではないでしょうか。
北欧で戦うには、がっしりとした男らしい体躯が必要。そんなのSixTONESの得意分野に決まってますね。特に松村北斗はグループ内で2番目に高身長、肩幅が広く筋肉量があり、引き締まった体をしています。これは欧米の方には魅力的に映るはずです。
海外で成功しているアジア人をさらに見てみましょう。
こちらも私の事前知識は皆無ですが、欧米圏のファッションシーンで活躍するアジア人モデルがまとめてあるこちらの記事を参考にします。よければざっと読んできてください。
2019年注目のアジア人イケメンモデルはこの7名! | Vogue Japan
こちらの記事で紹介されている中で、南アジア系の方以外の6名の写真を並べてみます。
もちろんモデルですから高身長は当たり前。それぞれ無骨でワイルドな感じだったり、クールでミステリアスだったり。総じて言えるのは、日本のテレビに日々映っているような、目がぱっちりしていてどこかあどけない、日本の「王道イケメン」の男の子はどこにもいないということです。
そして、1人に冠せられた「涼しげな目もと」というフレーズ。なるほど、アジア人らしいすっきりとした目は「涼しげ」と表現できますね。
この形容がばっちり似合う男、そういえばどこかに。
す、涼しげ〜〜〜〜っ!!!!
初夏の南部風鈴くらい涼しげ!!!チリンチリン!!!(?)
もう説明せずともおわかりでしょう。
「松村北斗」のビジュアルは、世界で戦えるポテンシャルしかないんです。
少なくとも私の見立てでは。
他の例を挙げていろいろ言ってきましたが、SixTONESだけを見ても、松村北斗は海外進出においてかなりキーマンだと思うのです。
SixTONESはジャニーズ。日本のアイドルです。
彼らが世界へ行く時、他のアーティストと差別化する要素として、まず間違いなく「日本」というものがあります。
それが不利益にはたらく場合も多いでしょう。アジア人への意識的/無意識的差別は未だ根深く、アジア人アーティストが欧米圏で成功することは容易ではありません。
しかしその一方で、JaponismやCool Japanは、世界各地で広く愛好されている世界観、概念です。Japan、あるいはNipponという異郷が、世界で一定層を惹きつけることは確かです。
さて、「SixTONESは日本から来たアーティストだ」と言う時、一目見てまずその証左となる、「日本人らしい」外見を持っているのは、誰でしょうか。
そうです。
松村北斗です。
欧米圏ウケする男らしい体格に、アジア人らしい涼しげな顔立ち。
さらにその中には時代や場所を問わない上品な「美」があり、 なんと中身は可愛いわんこだったりする(海外の方にギャップの概念は通じるんでしょうか??)。
もう、松村北斗って、何もかもを持ってるんです。
最近はわんこ化が激しくて、クール&セクシーはどこ行った!(笑)なんて声もよく耳にします。
けれども、こう考えてはどうでしょう。
世界へ出るなら、松村北斗はもはや、
クールな一匹狼でミステリアスなセクシーさを持った北斗くんなどというレベルではない。
日本のCoolと世界に通用するSexyを持ち合わせた、
Cool & Sexy Matsumura Hokuto
なのです。
(あれっ、今ケンティーいた?)
ともかく、私がこの記事で言いたかったのは、
松村北斗は流行りのイケメンなんざに収まるタマじゃねえんだぜってこと。
あわよくばこのブログが本人に届いて、世界へ出る上での自己プロデュースの参考になったりしないかなー。結構有益だと思うんだけどな!!!(大声)
SixTONES、早く世界に行ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
北斗くんViVi2位おめでとう!
森本慎太郎論 〜5月1日に末っ子を語る〜
SixTONES結成5周年おめでとうございます。
お久しぶりの「論」シリーズ更新です。なぜ今慎太郎かって? 「書けるな」と思って書き始めたらたまたま5月1日にタイミングが合ったからです。あんまり深い意味がなくてすみません(笑)
(追記:この記事を書き終えた後に森本慎太郎インスタライブのお知らせが来て非常に戸惑っています。私は天才なのか???)
前2本です↓
それでは本編です。慎太郎の成長過程を追う形で、安定の2本立てでお送りします。
独断と偏見で進んで行きます。解釈違いがあったらごめんなさい。その場合はそっとブラウザバックしてください。
1. 「ジャニーズの末っ子」の概念
当時をジャニヲタとして経験していない身で大変恐縮ですが、森本慎太郎その人、かつて入所まもない頃には現代のキャメロン・久保廉・伊藤篤志的、または彼の前の中島裕翔的存在に座を占めておりました。
可愛い……
小学3年生でスカウト入所。映画『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』に小学6年生で主演。長じてドラマ『私立バカレア高校』主演、そしてSixTONESの最年少メンバーとなりました。
幼き日の慎太郎は、なぜジャニーさんに目を留められ、愛されたのか。かじっている程度、いや頰張ってはいるが飲み込めてはいない程度のジャニーズ史の観点から、勝手な推測も交えてお話ししたいと思います。
ジャニーズにおいて、「末っ子」は重要な類型の一つ。
最近では韓国アイドルの影響で「マンネ」なんていうのも聞きますが、オタク側にとっても「末っ子」というのは一つのジャンル、一つの付加価値のように思います。
そんな末っ子、ジャニーズではどんな存在なのでしょうか。
各グループ組み方や方向性が違うので一概には言えませんが、「末っ子」の代表的な例として、SMAPの香取慎吾くん・TOKIOの長瀬智也くん・V6の岡田准一くん・嵐の松本潤くんの子供時代を見てみましょう。
幼い! 可愛い! 4人とも目と眉が印象的で、いかにもジャニーさんの好きそうな顔ですね。
さらに時代を遡って、私が「末っ子といえばこの人」と思っている光GENJIの佐藤敦啓さんをご紹介します。そう、あの佐藤アツヒロさんです。
顔がいい。
敦啓さんもまさに、目がキラキラしていて眉が凛々しい、典型的な末っ子顔ですね。というか、現代のジャニーズの「末っ子」イメージの起源が敦啓さんだと思ってます。宇宙言語で喋る方です。可愛いです。
さらにさらに遡って、初代ジャニーズの末っ子、あおい輝彦さんを見てみましょう。一番上でメンバーの肩を抱いている青い服の彼が、あおいさんです。
凛々しい眉に印象的な瞳。そう、ジャニーズの「末っ子」は初代からの伝統なのです。
眉が太くて目が大きく、やんちゃな少年。まさにジャニーさんの好みド真ん中ですね。あおいさんはエース的立ち位置だったと私は解釈していますし、途中加入の長瀬くんをセンターに置いたり、松本くんもデビュー当初はセンターだったりと、目力の強い少年は何かとジャニーさんに重宝され、良い位置に就きます。だってジャニーさんの好みだし、華があるから。「末っ子」ポジションは、ジャニーズの花形なのです。
歴代の「末っ子」たちと同じく、キラキラ輝く大きな瞳、利発そうな凛々しい眉を持つ慎太郎。ジャニーさんが一目見た時から、彼はそんな「末っ子」の系譜に組み込まれていたのではないでしょうか。
そんな「末っ子」とは反対に、「年上」の系譜もあります。これは必ずしも最年長ではない上に、全てのグループに当てはまるわけではありません。詳しくは追い追いまとめたいと思っています……まとめられるもんかな……
初代の最年長・飯野おさみさんは寡黙かつダンスの実力がずば抜けた職人タイプで、嵐の大野智くんやA.B.C-Zの五関晃一くんにその面影を見出すことができます。
しかし私が思う理想の「年上」像は、第2号グループ・フォーリーブスの最年長、北公次さんです。
猫好きで天然キャラ、トークでは全然発言せずに人任せ(らしい)、メンバーにお世話されっぱなしの元祖姫枠(笑)でも初代ジャニーズをテレビで見て「俺ならもっとすごい存在になれる!」と大阪から上京してきたという、熱く激しい一面も。以前のブログでも書きましたが、どことなくこの人に似ているなぁと思うんです。
ジャニーズの「年上」類型、他の例を挙げるとすれば、大野くんに加えて赤西仁くん、渋谷すばるくん(すばるくんは顔立ちやJr.時代の風貌を考えると末っ子類型的要素もありそう)、A.B.C-Zでいえば五関くんというより戸塚祥太くんのほうが北公次さんに近いかなと思います。私の好きな男闘呼組の成田昭次さんは北公次さんの系統をもろに受け継いだ最年長なのですが……これは伝わる人がいないと思うので割愛します(笑)
(※Hey!Say!JUMPやSexy Zoneなど、年上組と年下組が明確に分かれるタイプのグループはまた少し成り立ちが違ってくるのでここでは流しておきます)
「末っ子」は、凛々しい眉に大きな瞳、野原をやんちゃに駆け回る“陽”のイメージがありました。それと比較すると「年上」は、どこか浮世離れした儚げな美形で、強くも脆い、月のような“陰”のイメージがあります。ジャニーさんの好みは何種類かタイプ分けができますが、そのうちの大きな2つなのではないかなと思います。
で個人的には、平成以降のジャニーズにおける最も理想的な「年上」像は、京本大我なんじゃないかと思ったりもするのです。だってコーちゃんにそっくりなんだもん。
ちなみにですが、この「末っ子」と「年上」のイメージがギュッと凝縮されているのがKinKi Kidsなのではないでしょうか。
今でこそアーティスティックな剛くんとリーダーシップのある光一くんですが、若い頃の2人を見ると、まさに羊飼いの少年と深窓の王子。剛くんの印象的な目と眉、光一くんの端正な儚さも、それぞれの条件を満たしています。KinKi Kidsはジャニーズの概念……
話を戻します。
入所したての頃、慎太郎と京本はいつもセットでした。実の兄がHey!Say!JUMPにいたにもかかわらず、ジャニーズの世界で、慎太郎の兄は京本大我だったのです。
理想の「末っ子」と、理想の「年上」から成る“兄弟”。
2人はまさに、ジャニーさんから“選ばれた”存在だったのではないでしょうか。
そんな、ジャニーズ史的に最強な2人を擁するSixTONES。ですが話はここで終わりません。
先に挙げた例からもわかる通り、ジャニーズのグループは「末っ子」あるいは「年上」どちらかがセンターやエースになりがちです。でも、理想の「末っ子」と「年上」がいながら、SixTONESはそうなりませんでした。
ジャニーさんがソロで売り出そうとしたジェシーは、グループメンバーの系譜を超越した、ある意味郷ひろみや山下智久に連なる存在です。どこにも混じり合えず、たった一人で完成してしまうスター。しかし彼は自ら、グループのメンバーになることを選びました。
初めはジャニーさんの選んだ6人だったとはいえ、最終的には自分たちでグループを組むことを決めたSixTONES。きっとジャニーさんの思い通りに売り出されるだけでは、「末っ子」「年上」の先例を越えられなかったに違いありません。慎太郎と京本の前にジェシーがいる。SixTONESは、ジャニーズの伝統における、華麗な“想定外”なのです。
蛇足ですが、“想定外”といえばもう一つ。
個人的に、香取慎吾・長瀬智也・森本慎太郎はジャニーさんの三大誤算と呼んでいます(笑)
なんで末っ子ってゴリゴリになるんですかね?()
長瀬くんは大きくなりすぎてやめさせられかけたらしいし、ジャニーさんが途中から慎太郎に見向きもしなくなったのもきっと……ジャニーさん私利私欲がすぎるわ……(笑)
2. 「大人になってしまった」ことの意味
さて、そんな、ジャニーさんに愛された森本慎太郎。先ほども触れましたが、小学3年生で芸能界に入り、幼くしてJr.のど真ん中で花形を担いました。彼は当時について、「仕事をするたびにどんどん友達がいなくなる気持ちでやっていた」と言います。そんな彼が初めて得た仲間がバカレア組、のちのSixTONESだという感動展開は皆さんご存じの通りです。
ドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME』にて、SixTONESのデビュー曲〈Imitation Rain〉について北斗がこう言いました。「大人になってしまった意味がある曲」。
この「なってしまった」という言い回しに、私は固く握手を交わしたい! さすがジャニヲタジャニーズ! ジャニーさんの理想像が「大人にならない少年」だということをよく理解しています。
Imitation Rainについてはここでは置いておきます。SixTONES自体にかけられた、この「大人になってしまった」という形容を、最も体現している人物こそ森本慎太郎なのではないかと思うのです。
小さい頃から大人に囲まれて人前で仕事をし、今年23歳になる青年としては大きすぎる人生の波を経験してきた慎太郎。きっと私たち一般人が高校や大学を出てやっと直面する社会というものを、慎太郎は10代で知り尽くしてしまったのだと思います。
ジャニーズの舞台などでよく用いられる言葉に、「子供は大人になれるけれど、大人は子供に戻れない」がありますね。映画『少年たち』のラストにも使われました。大人になってしまったら子供に戻れないから、子供のまま時を止める。それが従来のジャニーズの在り方です。30歳を超えてもメンバー同士で少年のようにじゃれ合い、ファンに「可愛い」と言われるアイドルたちを我々はよく知っています。
ところが、10代の慎太郎は、そういったジャニーズのセオリーとはおよそかけ離れた成長をします。中学生にして彼の顔立ちはすでに子供と呼べず、年上に混じって高校生役をしても違和感のない外見に。お兄さんも現在かなり高身長なのでもちろん遺伝もありますが、同世代の友達がおらず、大人たちに混じって仕事をする中で、おのずと早熟になってしまったのでしょう。
中高生当時の慎太郎を私は知りませんが、今の彼を見ても、私とそう変わらない年齢なのに考え方が大人だなと感じることがよくあります。あるいは、これはSixTONESのメンバー全員に言えることですが、「諦め」の姿勢。期待しない、何を言っても無駄なことはある、時には妥協も必要。そういった、成長に伴って身についた大人の「諦め」が、SixTONESの外では物静かで、他人にあまり心を開くことのない慎太郎にも色濃く見えます。
ジャニーズとしては早く大人になりすぎてしまった慎太郎。ジャニーさんは無責任にも、彼を事実上放り出しました。ジャニーさんのやり方は、いつも正しく成功するわけではないのです。
事務所を辞めて教師になろうと思っていた慎太郎。それが現実であれば彼は今頃、「ただの大人」になっていたでしょう。そんな彼をジャニーズに引き留めたのがSixTONES。彼がかつて、初めて得た仲間たちでした。
ジャニーズでは、少年時代からの共同体を大人になるまで継続することで、擬似的に少年時代をも継続させ、精神的に大人になる期限を引き延ばします。私たちも10代のうちはクラスや部活動で共同体を作りますが、大人になればまた違った、ビジネスの共同体に入ります。一般人が10代からの友人とずっと一緒に活動するなんてことは稀です。
大人になるのを阻止するには、大人になりきってしまう前に所属した共同体が必要だったのです。だから解体期後に全く新しいメンバーでグループを組んでも、成長を止める効果は薄かったでしょう。しかし幸いなことに、慎太郎にはバカレアの仲間たちがいました。
慎太郎が10代のうちにバカレアをやらなかったら、もしかしたら、もう慎太郎の中には「少年」が残っていなかったかもしれない。そう考えると、運命や奇跡ってあるものだなと感じます。
SixTONESの慎太郎は、末っ子らしくわんぱくに暴れ回っていますね(笑)
頑固だったり、意味わかんないこと言ったり、声量バカだったり、彼が安心して少年らしいところを見せられるのは、このメンバーだからこそです。信頼関係があって、ノリがわかってて、ちゃんと回収してくれる。いやぁ、本当に何度も言うけど、慎太郎にSixTONESがいてよかった。
じゃあバカレアの時にデビューすればよかったかというと、それも違うと思います。もちろん本人たちが言うように「天狗になっていた」というのもありますが、何よりも、あの時点では慎太郎がセンターだったからです。
年上の5人もまだ未熟だったのに、それまで散々いろんなものを背負ってきた慎太郎がセンターまで背負うとなったら、どうなっていたことか。 誰かが背負いすぎたグループはバランスが取れなくなりますからね。
そう考えると、6人の中では比較的遅咲きのジェシーがセンターというのはとても意味のあることです。急いで大人になろうとしても、急拵えの成長は少しずつ歪んでしまう。しっかりと自分に向き合って、段階を踏んで大人になったジェシーは、安定感があります。まだ私にはそこへ踏み込むことができませんが、ジェシーには独自の哲学がある。大人とか子供とかいう尺度では測れない哲学です。
ジェシー論とか、いつか書くんだろうか……私には書ける気がしません。
あるいは、一番後輩でいわゆる「普通」の感覚を持った髙地が最年長なのも効いています。ゆごじぇって安定してますよね。メンバーが頼りたくなるのもわかります。
最後に少し勝手な、本筋から逸れた話をしてみます。慎太郎って、私の個人的な所感ですが、例えば「北斗はジェシーがめちゃめちゃ好き」とか、「樹はきょもに甘い」とか、「ゆごじぇは親友」とか、そういった1:1の関係性に一番執着しない人のように思うんです。あまり心を開かないと書きましたが、慎太郎はみんなと仲がいいけれど、全員と平等に距離を取っていて、誰にも踏み入れさせない領域があるように見えます。依存しないように、そして依存されないように。それは彼の少し冷めた恋愛観にも表れています。
それが、ファンとしては少し寂しかったりもします。よく思うんです、もしSixTONESに何かあったら、慎太郎はまた「まあ、このグループもそんなもんだよな」と諦めてしまうのではないかと。
根拠のない不安ですし、本人は笑って打ち消すかもしれません。でも、私はこれ以上慎太郎に何かを諦めてほしくない。
1:1のかわりに、SixTONESそのものが、慎太郎にはかけがえのない居場所なのだと思います。それはそう。唯一、ありのままでいられる場所だから。だから、SixTONESがなくなってほしくないな。もう、慎太郎一人のためだけにでも(笑) この記事を書きながら、自担でもないのにそれくらいの感情になってしまいました。SixTONESがこれから先ずっと、慎太郎の味方でありますように。
メンバーそれぞれがいろんな経験をして、「大人になってしまった」SixTONES。大人になったからこそ、自分たちの意志をうまく貫き、ただの操り人形ではない、新しいアイドル像を開拓できるという意義もあります。でもそれは彼らの半分。もう半分、メンバーとふざけ合う時の6人は、やんちゃな少年たちのままです。
心の半分だけ時を止める。ちょっと特殊で、でもとてもジャニーズらしいグループだと思います。ずっとずっと、末っ子慎ちゃんがでっかい声でわけわかんないことを言えますように。ロケバスの中で急にゲームが始まったり、ジェシーと慎太郎がボケを応酬したり、樹が爆笑して崩れ落ちたり、MCが長引きすぎてマイクと照明を消されたり、そんなバカバカしい日常がずっとずっと続きますように。
SixTONES、結成5周年おめでとう。
出会ってくれて、もう一度集まってくれて、6人で生きていくと決めてくれてありがとう。
最強で最高の6人です。ずっとずっと、ついて行きます。
次回のブログはいつになるかな! お楽しみに!!
SixTONESって何者?
ご存じですか?
2020年、ジャニーズから新しくデビューした6人組、SixTONES。
4月4日から「オールナイトニッポン サタデースペシャル」のパーソナリティを務めるということで、SixTONESとは何ぞや? と思っているANNリスナーの皆さん、最近よく聞くけど誰なん? と思っている皆さん、何やそれ知らんわと思っている皆さんに届けばいいなと思い筆を執ります。コロナ休みでお暇なあなたの小一時間を、ぜひ私にください。
「SixTONES」と書いて、ixを発音せず「ストーンズ」と読みます。故・ジャニー喜多川氏のセンスなので深くツッコまないでください。
グループ名の由来としては、「6つの原石(STONES)」「6つの音色(TONES)」がかけ合わされたもの。その名の通り、力強くギラギラしたパフォーマンスと六者六様の歌声が持ち味です。
SixTONESは2020年1月22日にデビュー。X JAPANのYOSHIKIさんが楽曲を提供してくださったことでも話題になりました。
そんなデビュー曲、〈Imitation Rain〉がこちら。
SixTONES - Imitation Rain (Music Video) [YouTube Ver.]
どうでしょう。ジャニーズらしからぬ世界観、感情的なパフォーマンス。
私、いい意味でショックすぎて初披露の翌日寝込みました。
YouTube Ver.はフル尺ではないので、ぜひCDを手に取っていただきたく思います。
ここで簡単にメンバー紹介を。
こっちを指さしている一番デカい赤髪の人が、絶対的センターのジェシー(23)。メンバーから絶大な信頼を寄せられている、SixTONESのヒーローであり太陽神です。
向かって右隣の金髪の人が、もう一人のメインボーカルである京本大我(25)。ミュージカル俳優としても活躍しており、圧倒的な美声と美顔の持ち主です。
そのまた右隣の黒髪の人が、セクシー&耽美担当の松村北斗(24)。演技力に定評があり、ミステリアスな雰囲気を漂わせる一癖も二癖もある人物です。
右端のガタイのいい茶髪の人が、わんぱく最年少の森本慎太郎(22)。とにかく声がデカい。恐れを知らぬ切り込み隊長です。
左端に飛んで、ピンク髪の細い人がMC&ラップ担当の田中樹(24)。SixTONESのまとめ役であり、「爆モテ」の名をほしいままにする色男です。
最後に残った一番普通の人が、最年長の髙地優吾(26)。メンバーに「こーち!こーち!」といじられ愛されている、我らがこーちです。
ジャニーズには珍しい高身長グループで威圧的に見えるかもしれませんが、ご心配なく。
YouTubeの公式チャンネルからこちらの動画をどうぞ。
SixTONES - Imitation Rain「カラオケで歌ってみた!!」
この6人、ほっといたらずっとふざける!! 樹は終始何がしたいん?(笑)
こんな調子なので、ライブMCが伸びすぎてスタッフさんとの攻防戦が繰り広げられることもしばしば。ノリが基本男子高校生なんです。立派な成人ですけど。
大の大人6人が遊園地ではしゃぐだけの動画もオススメなので、お時間のある方はどうぞ↓
SixTONES - Shizuoka Travel Vol.1
ジャニーズがカラオケや遊園地ではしゃいでる姿をYouTubeで手軽に見られる時代、スゲー。
オカベさんというスタッフの方の動画編集が毎回愛に溢れていて天才なので、ファン一同は日々オカベさんに五体投地しております。
それから、これは外せない。ジェシーのギャグ「ズドン」(意味はない)を楽曲化した、ライブでいっっちゃん盛り上がるやつ。
SixTONES【Mr.ズドンがやって来た】みんなで一緒に楽しもう!!
カオス!!!
ライブで1万人がズドンズドンしまくる時間ほどわけわからなくて楽しい時間はありません。早く5万人規模でやりたい。
どうです? そろそろSixTONESと一緒にズドンしたくなってきました??
てかこの人たちがImitation Rain歌ってんのマジ?
さて、SixTONESがだいたいどんな雰囲気のヤツらかお伝えできたところで、やっとこさ本題に参ります。
「SixTONES」って何者?
「ギラギラ」「ワイルド」「ジャニーズらしくない」そんな枕詞が冠せられることの多いSixTONES。概ね間違ってはいないけれども、正直そんな簡単な言葉で彼らの魅力はお伝えしきれません。
じゃあSixTONESは何がすごいのか。どんなグループなのか。私の独断と偏見でSixTONESのオススメポイントを一挙ご紹介していきます。
ここがすごいぞ! SixTONES その1
ライブパフォーマンスがすごい
SixTONESといえばライブ!
トークではふざけてばかりですが、ステージに立てば一瞬で「ギラギラ」「ワイルド」「クール」「セクシー」。大きな体躯を活かして圧巻のパフォーマンスを見せつけてくれます。
こちらは2018年、日本初のYouTubeアーティストプロモに抜擢され(2019年は嵐)、YouTube FanFestに出演した際の映像です。このパフォーマンスはファンの間でも人気が高く、本格的に階段を駆け上がり始めたSixTONESの記念碑的存在となっています。
SixTONES @ YouTube FanFest Music JAPAN 2018 | 「JAPONICA STYLE」「IN THE STORM」「Amazing!!!!!!」
客席のペンライトに注目してみてください。打点が高い高い! 人を殴る勢い!!(笑)
SixTONESのライブ、昂揚感がすごいんです。思わず腕を突き上げてしまう。〈IN THE STORM〉(動画2曲目)のジェシーと京本のハモりからラップに入るところなんてもう、何度聴いてもトリップ状態。ジャニーズのライブにつきもののうちわさえ放棄して、純粋に音楽を楽しんでいるファンも少なくありません。
もう1曲お見せしましょう。Jr.として最後のオリジナル楽曲〈RAM-PAM-PAM〉のファンカム風動画です。(あくまで公式です)
SixTONES - RAM-PAM-PAM (FocusCam @ Marine Messe Fukuoka "TrackONE -IMPACT-")
最強すぎない?
ラパパンラパパン……のリズムがやたら耳に残るのでエンリピしてしまいます。正直、とりあえずラパパン出しゃ何にでも勝てるだろと思っている節さえあります。
SixTONESのライブの何がすごいって、熱量もさることながら、音響がすごいんです。ジャニーズのライブでこんなに体に響く重低音、体験したことがなかった。ライブでしか味わえないSixTONESの音響、ぜひみなさんにも一度浴びていただきたい……やみつきになること間違いなしです。
Imitation Rainのカップリング曲でカラオケ動画にも登場した〈Telephone〉も、慎太郎はふざけてましたがラパパンと同系統のゲキツヨ楽曲です。ぜひ通常盤CDをお買い求めの上、ぶちのめされてください。
他にも洋楽っぽいオシャレなサウンドでセクシーな〈Hysteria〉、京本のヘドバンが炸裂する疾走感溢れるロックナンバー〈Rollin'〉など、お聴かせしたい楽曲はまだまだあるのですが、残念ながら公式動画がないので割愛……
もちろん、ザ・アイドル!な曲もあります。〈この星のHIKARI〉、〈"Laugh" In the LIFE〉、〈光る、兆し〉、これまたImitation Rainのカップリング曲の〈NEW WORLD〉など。気になる方はのちほど検索検索。ギラギラのゲキツヨSixTONESを摂取した後のキラキラアイドルソングは格別にエモい……
あっ、気づいちゃいました?
Imitation Rain通常盤、カップリングでギラギラとキラキラが入っていることにより、1枚で3度美味しいんです。全部入って1100円!? えーっ、スッゴいおトク!! これは買うしかない!!!
ここがすごいぞ! SixTONES その2
ジャニーズエンターテインメントがすごい
「ジャニーズらしくない」? ハッ! 笑わせんな!(お口が悪いですよ)
ライブツアー『TrackONE-IMPACT-』のパンフレットで、田中樹がこう断言しています。
俺らは「ジャニーズらしくない」なんて言われるけど、ジャニーズのアイドルだってことを忘れたことはないし、むしろすごく大事にしてる。生意気なことを言うと、ジャニーズの伝統を世界に持っていきたいんですよね。そのためには、音楽に真っ向から向き合わないといけない。世界はうわべだけじゃ通用しないので、付け焼き刃じゃないものを身に付けていきたいです。
私から言わせれば、SixTONESは め ち ゃ く ち ゃ ジャニーズらしいんです。
個人の見解が入りまくるのが恐縮ですが、ここに関して持論を少し。
世間の皆さんの抱いている「ジャニーズっぽい」のイメージと、実際にジャニーさんが確立した「ジャニーズらしさ」には大きな差があります。誤解されがちなのが、「ジャニーズ=チャラチャラしたイケメンが歌って踊るお遊戯会」みたいなイメージ。さすがにそこまでひどくはないか(笑)
ジャニーさんの「ジャニーズらしさ」は、見る者の度肝を抜いて楽しませることです。すなわちエンターテインメント。客席の上をフライングしたり、ローラースケートで滑りながら歌ったり、グループ名のセンスがヤバかったり。(笑) 一瞬「はっ?」となるようなとんでもないことを、顔のいい男の子たちが次々とやってみせるのがジャニーズなんです。ジャニヲタたちの間では「トンチキ」と呼ばれ親しまれてきました。そもそも男が歌って踊ること自体、事務所設立当初は画期的でしたしね。
皆さんも一度は思ったことありませんか? 「しゃかりきコロンブスってなんなん?」
KinKi Kidsとか関ジャニ∞とかSexy Zoneとか、よくよく考えたらグループ名やばない……? となりません? それこそジャニーさんの狙い通り。ただカッコいいだけでは人の心に残らない。引っかかるのが大事なんです。
「SixTONES」も初見で読めないですよね。なんでix読まんのよ。もう一度言います。「ストーンズ」です。
これがもうジャニーさんの作戦勝ち(たぶん)。シックストーンズなら「シックストーンズっていうグループがあるらしいよ」となるだけ。ところがストーンズなら、「SixTONESでストーンズって読むんだって」。どちらがより印象に残るか、おわかりですね?
やや脱線しましたが、実はSixTONES、この「ジャニーズトンチキ」を独自に解釈して「SixTONESトンチキ」を作り出しているのです。
先ほどパンフレットを引用しました『TrackONE-IMPACT-』の冒頭の演出がその一例。6人が横長い直方体の鳥かごみたいなのに入ってステージへ降りてきて、曲が間奏に入った途端、かごごと前転しまくるんです。しかも自力。なんで!? 客席は何が起こっているのか理解できずポカーン。SixTONESがクールでカッコいいだけだと思ったら大間違いですよ皆さん。
あとはさっきお見せした〈RAM-PAM-PAM〉ですね。バチクソカッコいい楽曲ですが、サビではなんとリズミカルにパンツを露出。どうした!? 発表当初は相当ざわつきました。もう慣れたけど。
SixTONES、「何やっとん!?」てな演出が端々に散りばめられてるんです。YouTube FanFestでお見せした〈IN THE STORM〉のイントロもあれ「ギラ!ギラ!ギラ!稲妻! ギリ!ギリ!ギリ!近づく!」って言ってますからね。何それ?? でもライブで叫ぶのは楽しいです。
そんなトンチキ演出に、重低音を効かせたバチバチの音楽。しかも薄々おわかりかと思いますが、SixTONES、とにかくダンスが揃わない。個性爆発。それがド派手でカッコいい。
そんなんもう、情報量の洪水。
良いとか悪いとか関係なく「すげーーーーっなんだこれ!」ってなっちゃうんです。
SixTONESは音楽性やパフォーマンス力を評価されることが多いですが、べつにアーティストでもパフォーマーでもない。いや、アーティストでもパフォーマーでもある。
SixTONESは最強エンターテイナー集団なんです。
ジャニーズエンターテインメント!
ジャニヲタの方にはグッときていただけるかと思いますが、ジャニーズは1ミリも通っとらんよ〜という方には何のことやらといった感じですね、すいません。SixTONESはある意味ジャニーさんの遺志を継いでるんだよ〜ということだけわかっていただければと思います。
ここがすごいぞ! SixTONES その3
メンバーの絆、ファンとの絆がすごい
メンバーが仲良いのはもはや当たり前です! YouTubeを見ろ! SixTONES楽しい!
SixTONES、仲が良いとかいうレベルではない。グループそのものが神話。コンビ一組一組をじっくり語っていきたいところですが、そんなことしてたら三日三晩はかかります。ということでサックリと結成までのエピソードを。
6人はもともとグループとしてではなく、ドラマのキャストとして集められました。2012年『私立バカレア高校』。ご存じですか?
深夜帯ながら人気を博し映画化。次なるデビュー候補と目されましたが、一転、ジェシーと北斗だけがJr.の最前列に立ち、残りの4人と離れてしまいます。
進路を考える時期も重なり、それぞれに葛藤していた6人。退所を考えた人もいました。そんな中、ジェシーがこう説得したのです。「また6人でやろう」。
そうしてジャニーさんに「1曲だけでも6人で歌わせてほしい」と頼み、2015年に誕生したのがSixTONESです。
ただ選ばれただけのメンバーではない。SixTONESは、この6人でいることを自ら選んだグループなのです。
彼らがいかに互いを信頼し合っているか、10本ブログを書いても語り尽くせないので、どうかご自分の目と耳で確かめてみてください……
そしてSixTONESの絆はグループ内だけではありません。ファンとの関係性もすごいんです。
SixTONESのファンは便宜上「スト担」と呼ばれていますが、正式なファンネームはありません。新しくファンになった人がファンダムに入りやすくするためなどを理由に、決めないとメンバーが断言しています。
ただ、ファンネームに準ずる呼び名があります。「team SixTONES」。
これは、SixTONESとファン全体を含めた呼び名です。樹が事務所公式ブログに書いて以来、ファンの間での合言葉のようにもなりました。
SixTONESとファンは一つのチームなのです。
私がSixTONESを好きになるずっと前から、先輩ファンの皆さんはSixTONESのために様々なことを実践してきました。番組に要望や感想を出す。雑誌にハガキを送る。グッズをたくさん買う。YouTubeができてからは再生回数を伸ばす、などなど……先輩方には頭が上がりません。
そんな活動の延長線上ということもあり、デビュー期間はいろいろあって無血の殴り合いみたいになってたので(笑)、怖い印象を持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが大丈夫。ちょっと喧嘩っ早いだけで、仲間想いの心優しいヤクザです。冗談です。良くも悪くも、みんなまっすぐなんです。
SixTONESを起用してもらえるように、SixTONESが少しでも多くの人の目に触れるようにと頑張るファンに、メンバーはブログやライブMCや雑誌媒体などで直接感謝を伝えてくれます。私たちの頑張りが届いてる! とわかるので、また頑張ろうと思えるのです。
また、メンバーはよく「ファンとは友達感覚」と言います。移動中の車の中や地方会場のホテルの窓から気さくに手を振ってくれたり、運がよければ話しかけてくれたりもするんです。こちらからすると大変恐縮なんですが……(笑) 「新幹線などで席が近かった時のファンのマナーがいい」とも言ってくれるので、そういった礼儀があることで、安心して心理的距離を縮められるのかもしれません。スト担、これからもマナーは守っていこうな。
そもそも、ライブでメンバーとファン一丸となってズドンズドンするくらいですからね。一緒にはしゃげるお友達です。スト担、かなりの割合でノリがいいです。ツッコミ不在になった時はファン総出でツッコんだり。こーちコールが止まらなかったり。
そんなある意味身近なSixTONESですが、やっぱりファンにとっては憧れの存在。以前どなたかのツイートで拝見したのですが、スト担はSixTONESに対して乙女チックに恋しているというよりは、「SixTONESに救ってもらったのでお供します!」なタイプの人がとっても多い。さながら桃太郎かワンピース。彼らは宮廷の王子様ではなく、革命軍のリーダー、民衆の英雄のような存在なのです。
そんな厚い信頼関係で結ばれたSixTONESとファンたち。デビューを経た今、私たちが目指しているのは世界です。
ジャニーズエンターテインメントを世界に轟かそうと、SixTONESは日々武器を磨いています。そしてファンはその後押しをするべく、YouTubeの外国語字幕を増やしたり、海外のラジオへリクエストを送ったり、海外のファンと積極的に交流したりしています。
間違いなく、これまでのジャニーズにはなかった動きが生まれようとしています。私はそのほんの一端を担っているばかりです。英語ができるわけではないし、学生なので経済力もそこまでありません。でも、インターンでライターをやっている私は文章が書ける。そこで、私は私の強みを活かして少しでもSixTONESのためになれたらと、このブログを書いた次第です。気づけば7000字を超える大作になってしまいましたが(笑) ここまで辛抱強く読んでくださってありがとうございました。少しでもSixTONESの魅力が伝われば幸いです。
さて、team SixTONESの冒険は始まったばかり。大海原へと帆を張るこの船に、あなたも乗り込んでみませんか?
SixTONES - NEW WORLD (FocusCam @ Marine Messe Fukuoka "TrackONE -IMPACT-")
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ジャニーズと“ストーンズ”
一部界隈の話題とは無関係に、もともといつか書こうと思っていた内容です。とはいえこのタイミングにしたのは、それなりに一部界隈を意識してはいますが。
ドのつく新規なので、私がスト担になって初めてのオリジナル曲は〈Rollin'〉だったのですが、SixTONES(ストーンズ)に〈Rollin'〉を書いた作詞家さん、どんな気分だったんだろうな……
洋楽に関して無知なので、ストーンズ——The Rolling Stonesについては、「とにかくすごいバンド」という認識しかありません(ごめんなさい汗)。そんな私でもこれは意識しとるだろ……と思うくらいなので、実際のところどうなんでしょう……?
SixTONESだけを見ても勝手な憶測の域を出ないので、お得意の昭和ジャニーズを持ち出します。それにしたって「こんなこともあったんだよ」という程度のお話です。
ジャニーズの第1号グループは、ABC座の『ジャニーズ伝説』でもおなじみの初代ジャニーズ。そして第2号が、ジャニ伝の最後にも登場するらしい(観たことがないので……)フォーリーブスです。〈ブルドッグ〉はそれなりにジャニヲタしてる方はみんな知ってますよね。さらにそのすぐ後に、郷ひろみが続きます。
フォーリーブスが活躍したのは今からだいたい50年前、1970年前後のこと。当時の日本はグループ・サウンズという、ざっくり言えばバンドみたいなものがブームでした。そんな中で、歌って踊るグループは革新的。フォーリーブスは国民的スターとなり、「男性アイドル」の概念を確立させます。
そんなフォーリーブスの4人がコチラ。
左から順に、
「コーちゃん」こと北公次
「トシ坊」こと江木俊夫
「ター坊」こと青山孝(のち青山孝史)
「マー坊」ことおりも政夫
年齢は上から順にコーちゃん、ター坊、トシ坊、マー坊。
コーちゃんとター坊はすでに亡くなっていますが、トシ坊とマー坊は今もタレントとして活動なさっています。坊とか言いながら敬語使うのすごい違和感。でも敬愛の念を込めてあだ名で呼ばせていただきます。
たまらん。顔がいい。
そしてジャニーズ時代の郷ひろみさんがコチラ。
圧倒的顔面力。
郷ひろみさんのことは詳しく説明するまでもないでしょう。西城秀樹さん・野口五郎さんとともに新御三家として一世を風靡し、デビュー3年で事務所を移籍して以降ジャニーズは冬の時代になっちゃったよ〜くらいです。
なぜ50年前のジャニーズを引っ張り出してきたかと言うと、この時代のアイドルはライブで洋楽をカバーするのが当たり前だったんです。もちろんThe Rolling Stonesもよく歌われていました。
この時代、と言っても80年代くらいまでそうだったみたいで、少年隊(85年デビュー)がストーンズメドレーをやったり、男闘呼組(88年デビュー)もオリジナル曲のないJr.時代はバンドでカバーしたりしていました。元男闘呼組の高橋和也さん(ジャニーズ在籍時は高橋一也名義)は熱心なストーンズファンだそうで……ジャニーズがストーンズを歌ってきたこと自体和也さんのインタビューで知ったんですけども(笑)
↑ ストーンズの話は前編だけですが、ここから読めます。
和也さん曰く、ストーンズの楽曲の中でもよくジャニーズがカバーしたのが〈ジャンピン・ジャック・フラッシュ〉。間奏でのコーちゃんのバク転が大好評だったのがきっかけだそう。
何を隠そう、コーちゃんこと北公次さん、アイドル史上初めてステージでバク転を披露した人物なのです。
コーちゃんのことを語り出したらこのブログが倍の分量になるのでやめておきます。そのかわり、フォーリーブスと郷ひろみのジョイントリサイタルの〈ジャンピン・ジャック・フラッシュ〉の音源があったので貼っておきます。
53分52秒からです。概要欄に秒数指定が並んでます。
日本ロック大系その79 『70年代歌謡歌手により海外カヴァー曲』
このレコードの25番目に収録されてますね。↓
レコードプレーヤーとか持ってるわけないので動画があってよかった……
本当はフォーリーブスの曲もいろいろ貼りたいんですが、本筋とずれるので自重しときます。先程の動画、1分56秒からフォーリーブスのThe Temptations〈ゲット・レディ〉カバーなのでそれだけでも聴いてください。1番が全部ター坊ソロなんですが、こ〜れがうまいのなんのって! 個人的に歴代ジャニーズの歌唱力四天王は青山孝・錦織一清・堂本剛・大野智だと思ってますよ。すばると赤西くんはまた別枠。
というわけで、歴代ジャニーズが歌ってきたThe Rolling Stones、ジャニーさんが意識してないわけがないんです。まあこれは憶測の域を出ませんが、おそらく、SixTONESの名付けにも関わっているのではないかなと。
最初にsixtones(シックストーンズ)の名前を思いついた時は、もしかしたら意識していなかったかもしれません。でもジャニーさんはそれを「ストーンズ」に直しました。長いからというのが理由でしたが、正直他のグループと比べたらそう長くもありません。それなのにわざわざ駄々をこねて、ixの発音を抹消してまで「ストーンズ」にしたのは……少なからず、The Rolling Stonesをリスペクトしてのことではないかと。私はそう思うのです。
The Rolling Stonesに関する知識が全くないのでフォーリーブス経由でしか語れず申し訳ないのですが、もう一つ、フォーリーブスとSixTONESを繋げるものがあります。
『少年たち』です。
何を隠そう(2回目)、舞台『少年たち』の初演はフォーリーブスが行いました。
こちらの記事にフォーリーブスの『少年たち』について詳しく書かれています。
出演者が少ないので房同士の対立とかはありませんが、少年院を脱走しようとして一人死ぬのは同じですね。すみません、ドドド新規なので現代の『少年たち』は映画版しか観てないです。
でも映画版こそジャニーさんの集大成(戦争と平和のメッセージ的にではなく“ジャニーズ”という組織そのものにおいて)なんじゃないかと思うので、とりあえず映画版=現代の『少年たち』ということで話を進めさせてください。
初演の『少年たち』での“死ぬ役”は、コーちゃんでした。
見てくださいよ、この天使とダイヤモンドのハーフっぷり。
たまらん……
さっきやめといたのに、やっぱりコーちゃんを語ることになりました。口数の少ない天然ぽやぽやなコーちゃんですが、実は激しく生きた男。テレビで初代ジャニーズを見て、「自分なら得意のアクロバットでもっと人気になれる」と上京。初代の付き人を経てデビューした、事実上のジャニーズJr.第1号なのです。ちなみに、コーちゃん以外の3人は子役や芸能人育成学校出身です。
グループでは年上ですが、可愛らしく透明感があり、トークはメンバーに任せっきり。そして実は芯が強く直情型。なんだか、彼に似てませんか?
絶対地上のものじゃない血が入ってるだろ、っていうこの感じ。
映画『少年たち』の“死ぬ役”が京本大我だったのは、ジャニーさんが彼にコーちゃんを重ねていたからではないかと思うんです。まあ京本さんは全くアクロバットできませんが(笑)
えびきす少年たちで死んでた戸塚くんも透明感と破天荒さには事欠きませんよね!
ジャニーズ作品における“死ぬ役”の考察は一度真面目にやってみたいんですが、いかんせんJr.はドドドドド新規のためジャニーズ舞台をひとつも観ていないという……どなたかお詳しい方、歴代ジャニーズ舞台の死ぬ役一覧作ってください……
話が迷子になりましたが、なんとな〜く言いたいのは、ジャニーさんがsixtonesを「ストーンズ」と発音させるのを閃いた時、その頭の中にフォーリーブスがあったのではないかということです。
コーちゃんと似た雰囲気を背負った京本大我。それだけではなく、ター坊を筆頭に高い歌唱力を持っていたフォーリーブスと、sixtones=「6つの音色」それ自体も重なったのかもしれません。元バカレア組の6人がフォーリーブスに重なったその時、ジャニーさんは彼らに『少年たち』を継がせると決めたはずです。
……いや、まあ、舞台版スノスト少年たちで死んでたのはジェシーだって知ってますよ!!! 論の破綻すんません!!! でもたぶん舞台版って少年たちそのものというよりも戦争と平和のメッセージのほうに重きを置いてますよね。なら映画版がジャニーズ作品的には完成品でいいやん!! ダメ??
あともっと回りくどい話をすると、コーちゃんの「北公次」という芸名の「北」、これジャニー喜多川の「喜多」からとってるんですよね。コーちゃん、バッチバチにジャニーさんから呪われている。フォーリーブス自体もコーちゃんをデビューさせるために作られたグループですし。
北公次の「次」は男闘呼組の「成田昭次」(本名は昭二)に受け継がれるんですが、昭次さんも『ロックよ、静かに流れよ』という男闘呼組主演の映画で“死ぬ役”をしています。コーちゃん→昭次の“死ぬ役”の血筋、いっちばんジャニーさんに呪われてるんです。すいません、ジャニーズの宿命性を信じてるので呪いとか血筋とかいう言葉を使いがちです(笑)
男闘呼組のデビュー時、事務所側が雑誌に「フォーリーブスの再来です」と言ったらしく、それをのちにメンバーが笑い飛ばしている記事があるのですが、男闘呼組≒フォーリーブスってそれあながち間違いじゃないかもなと。
で、男闘呼組とSixTONESについてはこちらに書いています。
フォーリーブス→男闘呼組→SixTONESは あ る !!!!!!
オタクの妄言すいません。(笑)
しかしフォーリーブスから男闘呼組までジャニーズの傍らにあったThe Rolling Stonesの楽曲、平成に入って(たぶん)めっきり歌われなくなりましたが、そこでジャニーさんが持ち出してきたわけなんですよ。「ストーンズ」という名前を。
SixTONES結成時に現実的な世界進出が想定されていたとは考えにくいですが、「ストーンズ」という名前にはThe Rolling Stonesへのリスペクト、そしてすでに大きな「ストーンズ」のいる世界への挑戦の意味が込められているのではないかと、私は個人的に思っています。
ジャニーさんがまだおじいちゃんでなかった頃からあれだけいろんなグループが歌っておいて、「ストーンズ」があのストーンズを全く意識していないなんてことはさすがにないかなと。
先程リンクを貼ったブログにもSixTONESの背負ったジャニーズの歴史を書きましたが、男闘呼組よりもさらに20年遡った、事務所設立間もない頃のジャニーズをもSixTONESは背負っているかもしれないのです。
いやはやしかし、初代ジャニーズと同年に結成されたThe Rolling Stones、今まで解散も休止も一度もせずに活動し続けてるのヤバいっすね。凄すぎ。ジャニーズの歴史はこんなにうねりまくったというのに。ジャニーズとストーンズの誕生が1962年なので、今年で58年目ですよ……ヒィ……
とはいえ、今では世界の「ストーンズ」であるThe Rolling Stonesも、その名前の由来はマディ・ウォーターズの〈Rollin' Stone〉だそうなので……まあ転がる石は誰のものでもないということで(笑)
「ストーンズ」といえばThe Rolling StonesかSixTONESか、ぐらいな世界を目指していきたいですね。夢はでっかく。では今回はこのへんで。
SixTONESが今、Imitation Rainを歌う意味
SixTONESのデビュー曲をX JAPANのYOSHIKIさんが作る。
そう発表されたのは、2019年——令和元年11月19日、Rough“xxxxxx” 東京国際フォーラム追加公演のMC中でした。私はその場に居合わせていました。
会場の歓声を聞きながら、私は言葉で表現できない感情に襲われていました。嬉しいのか、悔しいのか、感動しているのか、呆然としているのか……。驚き、喜んでいるたくさんの声に紛れて、私はある元ジャニーズの名前を何度も何度も呼んでいました。
昭次。
YOSHIKIさんは覚えていらっしゃるでしょうか。きっと覚えてくださっているでしょう。私が生まれるよりもずっと前のことですが。
ジャニーズに、「男闘呼組」というグループがいました。
みなさんにとっては、「岡本圭人のお父さんがいたところ」くらいの認識なのではないでしょうか。それから、CHANGE THE ERA -201ix-では北斗くんが〈みはり〉を歌いましたね。〈DAYBREAK〉と〈TIME ZONE〉はカウコンでも歌われているので知っている方も多いでしょうか。
男闘呼組は4人組のバンドでした。「ジャニーズのバンドは売れない」という定説を覆した4人組でした。そして、過去のいくつかのグループと同じように、ジャニーズ事務所の歴史の犠牲となりました。
ジャニーズは大抵の場合、詳しい歴史が残りません。嵐のデビュー後数ヶ月して生まれた私は、ついこの間まで、ざっくりとでも把握している「ジャニーズの歴史」といえば完全にSMAP以降だけでした。それ以前の昭和のジャニーズは、グループ名をいくつか知っているくらいで、どれがいつ頃のグループで、誰がどれだけ人気だったかなんてちっとも知りませんでした。
SixTONESを好きになり、KAT-TUNと掛け持ちの方から6人時代のことを少しだけ教えてもらい(KAT-TUNが6人だった頃、私は芸能人にとんと疎い小学生でした)、せっかくだから不良系ジャニーズの歴史を知ろうと手を出した男闘呼組。何度も言いますが生まれる前のことなので、正確な知識を得られているかはわかりません。当時を知る方からしたら全く的外れなことばかり書いているかもしれません。でも、私はどうしても、令和のジャニヲタのみなさんに知ってほしいことがあるのです。
Xは男闘呼組の友人でした。一緒にライブをやるほどの間柄でした。
こちらが当時のXと男闘呼組の記事です。
YOSHIKIさんはいませんが、ライブの写真に大写しになっているのは、若かりし日のToshlさんと圭人パパ——岡本健一さん。ライブにはToshlさんに加え、今は亡きXのベーシスト・TAIJIさんも参加していたようです。
座談会記事の写真で乾杯を交わしているのは、左から、男闘呼組のベーシスト・高橋一也さん(現在は高橋和也名義で俳優をされています)、Toshlさん、男闘呼組のリードギタリスト・成田昭次さん——昭次、Xのギタリストだった故・hideさん。
ジャニーズとXは、世が令和になるよりずっと前、昭和から平成へ移り変わる頃に一度交わっていたのです。
男闘呼組について詳しくお話しする前に、ジャニーズ全体の歴史をざっくりとご紹介します。凝り性の自己満なので読み飛ばしていただいてもかまいません(笑)
初代ジャニーズは1962年、ジャニーさん監督の少年野球チームから、ジャニーさんのお気に入りメンバー4人で結成されました。雨の日に観に行ったミュージカル映画『ウエスト・サイド物語』に憧れて……という結成秘話は、ジャニヲタのみなさんにはえび座などでお馴染みだと思います。アイドルといえば映画スターやソロの歌手で、まだアイドルという概念自体が成立途上だったその頃、「歌って踊る男性アイドルグループ」は何もかもが画期的でした。ジャニーズは女の子たちの間で高い人気を博し、全米デビューを目指してアメリカ修行に赴きますが、方向性の違いや種々の問題で夢を果たせず解散します。
第2号グループはフォーリーブス。ジャニーズの付き人だった故・北公次さん(事実上のジャニーズJr.第1号!)を中心に結成されましたが、ジャニーさんは当時のインタビューで「メンバー全員がスター」との方針を語っています。70年代当時流行していたグループ・サウンズでは、ザ・タイガースのジュリーこと沢田研二など、バンド内に1人スター的存在がいるスタイルが主流だったのです。フォーリーブスは4人全員のキャラ立ちと高い歌唱力を武器に、トップスターへと駆け上がります。
フォーリーブスのバックに付いていたJr.が、郷ひろみさん。他事務所の野口五郎さん、故・西城秀樹さんとともに「新御三家」と呼ばれ大ブームを巻き起こしますが、デビュー3年でバーニングプロダクションへ移籍。フォーリーブスも人気不振により解散し、70年代後半、ジャニーズには冬の時代が訪れます。
ブロマイドの売上はあるもののヒット曲に恵まれない中、 1979〜80年放送の『3年B組金八先生』で大ブレイクしたのが、田原俊彦さん・野村義男さん・近藤真彦さんのたのきんトリオ。実はこの3人、ジャニーさんのチョイスではなく、数多くいたJr.の中からドラマのプロデューサーが偶然選んだキャストでした。そのため、たのきんブームは事務所にしてみれば全くのハプニング。ジャニーさんの人選ではないためグループにはせず、あくまでもそれぞれをソロでデビューさせました。
『金八先生』の姉妹編として81〜82年に放送された『2年B組仙八先生』で、たのきんと同じ手法で人気を得たのがのちのシブがき隊です。シブがき隊はデビューする前、Jr.の中でAチームと呼ばれていました。そしてBチームが、のちの少年隊。つまりBチームのほうがその後長く残ることになったわけですが、番手が低かったほうが生き残るのはジャニーズあるあるだったりしますね。とはいえ、少年隊はジャニーズ史上1番と言っていい実力派。生前のジャニーさんも、「最強のグループ」と語っていたそうです。
そんな少年隊のレコードデビューが85年。そしていよいよ昭和も末期、1987年にデビューしたのが、最後のスーパーアイドルこと光GENJIです。
光GENJIは、実は男闘呼組の少し後輩に当たります。光GENJI、男闘呼組、そして忍者(デビュー前は少年忍者)の3グループが、まとめて「少年御三家」と呼ばれていました。You&Jみたいなシステムですが、初期のアイドルの御三家文化の末裔が少年御三家、さらにはYou&Jだと言うほうが正確でしょう。光GENJI≒NEWS、男闘呼組≒KAT-TUN、忍者≒関ジャニ∞とよく言われています。
男闘呼組と少年忍者の結成はいずれも1985年頃。男闘呼組は、Jr.の中でダンスレッスンが嫌いな仲間が集まったプライベートバンドから始まり、ジャニーさんの命名によって正式なグループになりました。一方少年忍者は、中村繁之さんというソロアイドルのバックダンサーとして結成。華は足りないものの、アクロバットを強みとする実力派優等生グループでした。
遅れること2年、もともと中村繁之さんと同じユニットで活動していた元祖シンメ・光と、Jr.歴の浅いフレッシュなGENJIが組み合わせられ、光GENJIとして、先輩2グループを追い越してデビューします。なんだかHey!Say!JUMPやSexy Zoneのような話ですね。光GENJIはたちまち一世を風靡。トップアイドルの座をほしいままにします。
対して、Jr.のまま着実に人気をつけたのが男闘呼組。硬派で不良っぽい魅力(というかもろヤンキー)で光GENJIと人気を二分し、デビュー前に主演映画まで作ります。そして1988年8月24日、満を持して、〈DAYBREAK〉でデビューします。
同い年で1番右、ボーカル&キーボードの前田耕陽。
一つ下の右から2番目、ボーカル&ベースの高橋一也。
同い年で最年少の左から2番目、ボーカル&リズムギターの岡本健一。
デビュー当時、年上2人は20歳、年下2人は19歳でした。これでも当時は待たされたほうです。光GENJIの最年少が中学生でしたから……。
もちろん個々のメンバーを語り始めればきりがありませんが、記事の趣旨とずれるので今回は割愛します。
1989年1月に元号が平成になり、男闘呼組はジャニーズで昭和最後のデビューグループとなりました。
そんな89年、ジャニーズのグループとして初めての東京ドーム公演を光GENJIが、2組目の公演を男闘呼組が行います。当時はまだ何もないに等しいシンプルなセットに未発達な音響技術ですから、今2グループがドームでやったら……と妄想が膨らみます。
そうして栄華を極めた2グループでしたが、平成に入ると音楽番組が次々と終了し、アイドルブームが終焉を迎えます。
1990年、平成最初のデビューを果たしたのが忍者でした。歴の長い少年忍者に最年少メンバーがセンターとして加入し、美空ひばりのカバーで和を全面に出してデビューしましたが、音楽番組衰退の影響を受けヒットには至らず。そんな苦難の時代、1991年にデビューしたのが、SMAPです。
やっとSMAP!(笑)その後はみなさんご存じの通りです。アイドルが音楽だけでは生きていけなくなったので、SMAPはバラエティ番組に活路を見出し、マルチタレントとして国民的地位にのし上がります。
SMAPの前身はスケートボーイズ。ローラースケートの光GENJIのバックで、スケートボードをするユニットでした。そこから6人が選抜されてSMAPとなります。
ですが、SMAPの尊敬する先輩——尊先は男闘呼組でした。特にキムタクはオカケンに相当憧れていたそうで……若い頃の岡本健一さんを見るとキムタクそっくりなんですが、もちろん逆で、キムタクがオカケンそっくりなのです。
健ちゃん、可愛すぎて年上に見えない。
岡本健一さん、今は圭人のパパとしてくらいしかジャニヲタに認知されてない気がするんですが……「キムタクの尊先」ってすごくないですか?
さあ、SMAPが憧れた男闘呼組とはどんなグループだったのか。ようやくここからが本題です。
今でもTOKIO、関ジャニ∞、Jr.では7 MEN 侍とAぇ! groupがバンドをしているので、ジャニーズバンドは伝統だと思われるかもしれません。たしかに、バンド自体は事務所設立当初からいくつかありました。しかし、それらはあくまでもバックバンド。バンドグループだけでスター的地位になることはあり得ませんでした。
そんな中、バックバンド扱いでないバンドを始めたのが、たのきんトリオのヨッちゃんこと野村義男さんです。たのきんは当初全員ソロデビューする方針でしたが、王道アイドル路線のトシちゃん・マッチと違い、スカウト入所のヨッちゃんはもともとギタリスト志望だったため、ジャニーさんに頼んでツインボーカルのバンド・THE GOOD-BYEでデビューしました。たのきん時代ほどの活躍には至らなかったものの、メンバー自作曲を多くリリース。男闘呼組へとバトンを繋ぎます。
80年代、世はバンドブーム。ジャニーズJr.の「裏番長」・昭次も兄の影響でロックに夢中でした。(敬愛を込めて男闘呼組メンバーを呼び捨て・ちゃん付けで呼ばせていただきます……)合宿所で一也と知り合い、意気投合。互いの友達を集めてプライベートバンドを始めます。しかし最後まで残ったのは昭次と一也だけでした。
少し遅れて健ちゃんが加入。Jr.内で3人セットの活動が増え、正式にグループ結成へと動き出しました。その後もメンバーが加わっては脱退し、最後に耕陽が加入して、4人体制の男闘呼組となりました。
昭次を可愛がってギターを教えていたのが、ほかでもないヨッちゃん。男闘呼組はTHE GOOD-BYEの流れを汲みつつ、「ロックをやりたい」だけにはとどまらない、新たなジャニーズバンドの在り方を提示していきます。
当初、事務所は男闘呼組を今まで通りジャニーズらしく染めようとしていました。雑誌『宝島』のインタビューで本人たちが語るには、
岡本 事務所の人間が俺たちに「おまえら、タレントだから何でもできる」って。「ギター持ってバク転しろ」って言われたもんなぁ(笑)
そりゃいくらなんでも無理でしょ!(笑)用意されたフリル付きの衣装も、「こんなもの着れない」と抵抗します。このエピソードは少クラにこっそり私服で出ちゃったSixTONESを思わず連想しました。
事務所に反発する男闘呼組は大人からだいぶ嫌われてしまいますが、それだけの反骨精神があったからこそ、我を通して好きなことをやり続け、腐ったり潰れたりすることはありませんでした。
一也作詞の〈赤ちょうちんでくらせ〉という曲から、当時の葛藤が伺えます。
くらせ 先立つ物がねえと ねじ伏せられちまうのか
くらせ 力あっても コネがねぇとシカトされんのか
話しのわからんやからと くだらん組織を蹴とばせ
縛られるのはゴメンだぜ ゴメンだぜ
こんな歌詞、今書いたら確実に干される!(笑)
これがロックなんです(きっと)……SixTONESでも樹くんが表立って言えない内容をラップのリリックに乗せたりしますが、まさにあの精神です。昭次や一也がJr.黄金期以降のジャニーズにいたら男闘呼組はヒップホップグループになってたかも……なんて考えます。
後輩・光GENJIのデビューを見送った後、結成3年でようやく掴んだデビュー。しかし、初めは作詞家・作曲家の手による楽曲がほとんどで、音楽番組でも楽器は当て振りをさせられました。世間からも「ジャニーズのアイドルバンド」という偏見に晒され、まともに評価してもらえませんでした。
それでも自分たちのやりたいことを貫き、決して権力に屈しなかった男闘呼組。徐々にメンバー作詞曲を増やし、3枚目のシングルはロンドンでレコーディング。91年以降は、メンバー自作曲をシングル曲としてリリース。4枚目のアルバムは全曲がメンバー自作となります。
神曲〜〜〜〜天才〜〜〜〜〜(オタク)
男闘呼組は、「ジャニーズ」という枠を突き破ろうとしました。これは昭和を知らない私の憶測でしかありませんが、ジャニーズのアイドルたちが音楽で自己表現をできるようになったのは、男闘呼組があったからではないかと思うのです。
先述したようにKAT-TUNが男闘呼組と重ねて語られることがよくありますが、KAT-TUNの音楽的自己表現は赤西くんのソロや田中聖くんのラップなどごく一部にとどまり、男闘呼組の系統を継いでいるのは不良っぽいイメージのみのように感じます。
むしろ、SixTONESのほうが男闘呼組に近いと思うのです。音楽へのこだわりもさることながら、先例のない領域へ挑戦した男闘呼組のように、SixTONESは今、これまでのジャニーズの枠を越えて海外へ飛び出そうとしています。
また、私が男闘呼組とSixTONESは似ているなと感じるのが、メンバーの最強感です。1人ずつでももちろんかっこいいけど、全員揃うと最強。パズルのピースが揃ったような、バチバチの無敵感。
サイキョ〜〜〜〜!!!!
エモエモエモ……
存在が天才。
今も昔も変わらんなジャニーズは。
SixTONESはバカレア組解体後自分たちの意思で再集結しましたが、男闘呼組もジャニーさんからYOUとYOUとYOUとYOU!と言われて集められたわけではなく、自分たちでバンドを始め、自分の意思で残ったメンバーです。そのためとても仲が良く、当時のメンバーは「やめちゃうとかバラバラになるっていう発想がぜんぜんない」「30歳、40歳になっても男闘呼組をやり続ける」と言っていました。「おじさんになってもアイドルを続ける」ことが当たり前になったのはSMAP以降というのが定説ですが、もしかしたら男闘呼組がそういう存在になっていたかもしれないのです。
しかしそれは叶いませんでした。
1993年、すなわちデビューから5年後、一也が突然解雇されました。はっきりした理由は今でもわかっていません。
すでに決まっていたコンサートが中止され、男闘呼組は活動を休止しました。当時、メンバーは全員24歳でした。
2020年1月22日、デビュー日のSixTONESの平均年齢は23.8歳です。
ジャニーさん。男闘呼組とXが親しかったことは覚えていたでしょうか。
当時はまだ所属タレントが多くなく、特に昭次はジャニーさんのお気に入りでしたし、X JAPANのYOSHIKIと聞いて少しでも男闘呼組を思い出してくれたのであれば嬉しいです。と言っても、私が男闘呼組について知ったのはジャニーさんが亡くなった後でしたが……
X——X JAPANは今や、押しも押されもせぬ日本を代表するアーティストですね。若い頃は、「まず聴いてもらえなければ意味がない」とバラエティ番組に出演し、他のバンドから邪道と見られていたと伺いました。自分たちの音楽を貫くために、常識を蹴飛ばし、乗り越えようとしたXと男闘呼組。2組の現在は全く違っても、メンバーのみなさんの中で、青春の日々が色褪せることはないだろうと思っています。
ロックだろうが、アイドルだろうが関係ない。
SixTONESの音楽とパフォーマンスを信頼してデビュー曲を託してくださったYOSHIKIさんは、あの頃のままのYOSHIKIさんなんだなと思います。
SixTONESに、〈Imitation Rain〉をくださって本当にありがとうございます。
今、SixTONESは、男闘呼組とまた違った形で現状と戦っています。事務所の運営に不透明なところがあり、ファンは一抹の不安を抱いています。また人気の反面、批判を集めやすくもあります。そして、ジャニーさんが亡くなったジャニーズ事務所から、未知の海外へと挑もうとしています。
YOSHIKIさんへのオファーの理由がそれだということはさすがにないと思いますが、私は、運命がもう一度、男闘呼組をやり直させようとしていると感じています。
平成の始まりに道半ばで奪われた男闘呼組の未来を、令和の初めにSixTONESが、アップデートされた形でもう一度始める。ジャニーズが再び、「自分たちのやりたい音楽」をやる。その印が、Xと男闘呼組のいた“あの頃”のメロディを歌うこと、なのだと思わせてください。
昭次。
いえ、もう芸名も使わなくなった一般の方ですから……成田昭二さん。
SixTONESをご存じでしょうか。およそ30年の時を隔てた後輩を、少しでも見ていただけていたら嬉しいです。
当時1番人気だった昭次さんのことを、そうとは知らずに好きになりました。私は1番人気のメンバーを好きになることが多く、今応援しているSixTONESの松村北斗くんもその1人で、我ながらミーハーだなぁと思っていたのですが……昭次さんを好きになってわかりました。私は人気だからその人を好きになるのではなく、人を惹きつける人、人気になる力を持つ人が好きなのだと。
昭次さん。あなたは1番かっこいいジャニーズです。最強のジャニーズです。アイドルと言われることをあなたは嫌いましたが、私にとっては、あなたこそが1番のアイドルです。
SixTONESのデビュー曲をYOSHIKIさんが作ると発表される前日、私はたまたまX JAPANのForever Loveを聴きながら、昭次さんのことを考えていました。
変わり続けるこの時代に
変わらない愛があるなら
Forever Love Forever Dream
溢れる涙の中
輝く季節が永遠に変わるまで
男闘呼組のなくなったこの時代でも、私は男闘呼組を好きになりました。
男闘呼組が輝いた季節は永遠です。ジャニーズは永遠です。
SixTONESは、今度こそは、絶対に離れません。
永遠になってください。
お願いです。
SixTONESは、男闘呼組が行けなかった夢の先へ先へずっと先へ、どこまでも駆けて行ってください。
ずっとずっと、好きなことをやり続けてください。
YOSHIKIさん。SixTONESに最高のエールをくださって、ありがとうございました。
SixTONES - Imitation Rain (Music Video) [YouTube Ver.]