森本慎太郎論 〜5月1日に末っ子を語る〜

 

 

 SixTONES結成5周年おめでとうございます。

お久しぶりの「論」シリーズ更新です。なぜ今慎太郎かって? 「書けるな」と思って書き始めたらたまたま5月1日にタイミングが合ったからです。あんまり深い意味がなくてすみません(笑)

 

(追記:この記事を書き終えた後に森本慎太郎インスタライブのお知らせが来て非常に戸惑っています。私は天才なのか???)

 

前2本です↓

mtmrleon.hatenablog.com

 

mtmrleon.hatenablog.com

 

それでは本編です。慎太郎の成長過程を追う形で、安定の2本立てでお送りします。

 

独断と偏見で進んで行きます。解釈違いがあったらごめんなさい。その場合はそっとブラウザバックしてください。 

 

 

1. 「ジャニーズの末っ子」の概念

当時をジャニヲタとして経験していない身で大変恐縮ですが、森本慎太郎その人、かつて入所まもない頃には現代のキャメロン・久保廉・伊藤篤志的、または彼の前の中島裕翔的存在に座を占めておりました。

 

f:id:mtmrleon:20200411114540j:plain

 

可愛い……

 

小学3年生でスカウト入所。映画『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』に小学6年生で主演。長じてドラマ『私立バカレア高校』主演、そしてSixTONESの最年少メンバーとなりました。

幼き日の慎太郎は、なぜジャニーさんに目を留められ、愛されたのか。かじっている程度、いや頰張ってはいるが飲み込めてはいない程度のジャニーズ史の観点から、勝手な推測も交えてお話ししたいと思います。

 

 

ジャニーズにおいて、「末っ子」は重要な類型の一つ。

最近では韓国アイドルの影響で「マンネ」なんていうのも聞きますが、オタク側にとっても「末っ子」というのは一つのジャンル、一つの付加価値のように思います。

そんな末っ子、ジャニーズではどんな存在なのでしょうか。

各グループ組み方や方向性が違うので一概には言えませんが、「末っ子」の代表的な例として、SMAP香取慎吾くん・TOKIO長瀬智也くん・V6の岡田准一くん・嵐の松本潤くんの子供時代を見てみましょう。

 

f:id:mtmrleon:20200426143123j:plain

 

幼い! 可愛い! 4人とも目と眉が印象的で、いかにもジャニーさんの好きそうな顔ですね。

 

さらに時代を遡って、私が「末っ子といえばこの人」と思っている光GENJI佐藤敦啓さんをご紹介します。そう、あの佐藤アツヒロさんです。

 

f:id:mtmrleon:20200426144049j:plain

 

顔がいい。

 

敦啓さんもまさに、目がキラキラしていて眉が凛々しい、典型的な末っ子顔ですね。というか、現代のジャニーズの「末っ子」イメージの起源が敦啓さんだと思ってます。宇宙言語で喋る方です。可愛いです。

 

さらにさらに遡って、初代ジャニーズの末っ子、あおい輝彦さんを見てみましょう。一番上でメンバーの肩を抱いている青い服の彼が、あおいさんです。

 

f:id:mtmrleon:20200426163149j:plain

 

凛々しい眉に印象的な瞳。そう、ジャニーズの「末っ子」は初代からの伝統なのです。

 

眉が太くて目が大きく、やんちゃな少年。まさにジャニーさんの好みド真ん中ですね。あおいさんはエース的立ち位置だったと私は解釈していますし、途中加入の長瀬くんをセンターに置いたり、松本くんもデビュー当初はセンターだったりと、目力の強い少年は何かとジャニーさんに重宝され、良い位置に就きます。だってジャニーさんの好みだし、華があるから。「末っ子」ポジションは、ジャニーズの花形なのです。

 

歴代の「末っ子」たちと同じく、キラキラ輝く大きな瞳、利発そうな凛々しい眉を持つ慎太郎。ジャニーさんが一目見た時から、彼はそんな「末っ子」の系譜に組み込まれていたのではないでしょうか。

 

 

そんな「末っ子」とは反対に、「年上」の系譜もあります。これは必ずしも最年長ではない上に、全てのグループに当てはまるわけではありません。詳しくは追い追いまとめたいと思っています……まとめられるもんかな……

 

初代の最年長・飯野おさみさんは寡黙かつダンスの実力がずば抜けた職人タイプで、嵐の大野智くんやA.B.C-Zの五関晃一くんにその面影を見出すことができます。

しかし私が思う理想の「年上」像は、第2号グループ・フォーリーブスの最年長、北公次さんです。

 

f:id:mtmrleon:20200426164645j:plain

 

猫好きで天然キャラ、トークでは全然発言せずに人任せ(らしい)、メンバーにお世話されっぱなしの元祖姫枠(笑)でも初代ジャニーズをテレビで見て「俺ならもっとすごい存在になれる!」と大阪から上京してきたという、熱く激しい一面も。以前のブログでも書きましたが、どことなくこの人に似ているなぁと思うんです。

 

f:id:mtmrleon:20200426165446j:plain


SixTONES 京本大我

 

ジャニーズの「年上」類型、他の例を挙げるとすれば、大野くんに加えて赤西仁くん、渋谷すばるくん(すばるくんは顔立ちやJr.時代の風貌を考えると末っ子類型的要素もありそう)、A.B.C-Zでいえば五関くんというより戸塚祥太くんのほうが北公次さんに近いかなと思います。私の好きな男闘呼組成田昭次さんは北公次さんの系統をもろに受け継いだ最年長なのですが……これは伝わる人がいないと思うので割愛します(笑)

(※Hey!Say!JUMPやSexy Zoneなど、年上組と年下組が明確に分かれるタイプのグループはまた少し成り立ちが違ってくるのでここでは流しておきます)

 

「末っ子」は、凛々しい眉に大きな瞳、野原をやんちゃに駆け回る“陽”のイメージがありました。それと比較すると「年上」は、どこか浮世離れした儚げな美形で、強くも脆い、月のような“陰”のイメージがあります。ジャニーさんの好みは何種類かタイプ分けができますが、そのうちの大きな2つなのではないかなと思います。

で個人的には、平成以降のジャニーズにおける最も理想的な「年上」像は、京本大我なんじゃないかと思ったりもするのです。だってコーちゃんにそっくりなんだもん。

 

 

ちなみにですが、この「末っ子」と「年上」のイメージがギュッと凝縮されているのがKinKi Kidsなのではないでしょうか。

 

f:id:mtmrleon:20200430160916j:plain

 

今でこそアーティスティックな剛くんとリーダーシップのある光一くんですが、若い頃の2人を見ると、まさに羊飼いの少年と深窓の王子。剛くんの印象的な目と眉、光一くんの端正な儚さも、それぞれの条件を満たしています。KinKi Kidsはジャニーズの概念……

 

 

話を戻します。

 

入所したての頃、慎太郎と京本はいつもセットでした。実の兄がHey!Say!JUMPにいたにもかかわらず、ジャニーズの世界で、慎太郎の兄は京本大我だったのです。

 

f:id:mtmrleon:20200426173517j:plain

 

理想の「末っ子」と、理想の「年上」から成る“兄弟”。

2人はまさに、ジャニーさんから“選ばれた”存在だったのではないでしょうか。

 

 

そんな、ジャニーズ史的に最強な2人を擁するSixTONES。ですが話はここで終わりません。

先に挙げた例からもわかる通り、ジャニーズのグループは「末っ子」あるいは「年上」どちらかがセンターやエースになりがちです。でも、理想の「末っ子」と「年上」がいながら、SixTONESはそうなりませんでした。

ジャニーさんがソロで売り出そうとしたジェシーは、グループメンバーの系譜を超越した、ある意味郷ひろみ山下智久に連なる存在です。どこにも混じり合えず、たった一人で完成してしまうスター。しかし彼は自ら、グループのメンバーになることを選びました。

初めはジャニーさんの選んだ6人だったとはいえ、最終的には自分たちでグループを組むことを決めたSixTONES。きっとジャニーさんの思い通りに売り出されるだけでは、「末っ子」「年上」の先例を越えられなかったに違いありません。慎太郎と京本の前にジェシーがいる。SixTONESは、ジャニーズの伝統における、華麗な“想定外”なのです。

 

 

蛇足ですが、“想定外”といえばもう一つ。

個人的に、香取慎吾長瀬智也森本慎太郎はジャニーさんの三大誤算と呼んでいます(笑)

なんで末っ子ってゴリゴリになるんですかね?()

長瀬くんは大きくなりすぎてやめさせられかけたらしいし、ジャニーさんが途中から慎太郎に見向きもしなくなったのもきっと……ジャニーさん私利私欲がすぎるわ……(笑)

 

 

 

 

 

2. 「大人になってしまった」ことの意味

さて、そんな、ジャニーさんに愛された森本慎太郎。先ほども触れましたが、小学3年生で芸能界に入り、幼くしてJr.のど真ん中で花形を担いました。彼は当時について、「仕事をするたびにどんどん友達がいなくなる気持ちでやっていた」と言います。そんな彼が初めて得た仲間がバカレア組、のちのSixTONESだという感動展開は皆さんご存じの通りです。

 

ドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME』にて、SixTONESのデビュー曲〈Imitation Rain〉について北斗がこう言いました。「大人になってしまった意味がある曲」。

この「なってしまった」という言い回しに、私は固く握手を交わしたい! さすがジャニヲタジャニーズ! ジャニーさんの理想像が「大人にならない少年」だということをよく理解しています。

Imitation Rainについてはここでは置いておきます。SixTONES自体にかけられた、この「大人になってしまった」という形容を、最も体現している人物こそ森本慎太郎なのではないかと思うのです。

 

 

小さい頃から大人に囲まれて人前で仕事をし、今年23歳になる青年としては大きすぎる人生の波を経験してきた慎太郎。きっと私たち一般人が高校や大学を出てやっと直面する社会というものを、慎太郎は10代で知り尽くしてしまったのだと思います。

ジャニーズの舞台などでよく用いられる言葉に、「子供は大人になれるけれど、大人は子供に戻れない」がありますね。映画『少年たち』のラストにも使われました。大人になってしまったら子供に戻れないから、子供のまま時を止める。それが従来のジャニーズの在り方です。30歳を超えてもメンバー同士で少年のようにじゃれ合い、ファンに「可愛い」と言われるアイドルたちを我々はよく知っています。

ところが、10代の慎太郎は、そういったジャニーズのセオリーとはおよそかけ離れた成長をします。中学生にして彼の顔立ちはすでに子供と呼べず、年上に混じって高校生役をしても違和感のない外見に。お兄さんも現在かなり高身長なのでもちろん遺伝もありますが、同世代の友達がおらず、大人たちに混じって仕事をする中で、おのずと早熟になってしまったのでしょう。

中高生当時の慎太郎を私は知りませんが、今の彼を見ても、私とそう変わらない年齢なのに考え方が大人だなと感じることがよくあります。あるいは、これはSixTONESのメンバー全員に言えることですが、「諦め」の姿勢。期待しない、何を言っても無駄なことはある、時には妥協も必要。そういった、成長に伴って身についた大人の「諦め」が、SixTONESの外では物静かで、他人にあまり心を開くことのない慎太郎にも色濃く見えます。

 

ジャニーズとしては早く大人になりすぎてしまった慎太郎。ジャニーさんは無責任にも、彼を事実上放り出しました。ジャニーさんのやり方は、いつも正しく成功するわけではないのです。

 

事務所を辞めて教師になろうと思っていた慎太郎。それが現実であれば彼は今頃、「ただの大人」になっていたでしょう。そんな彼をジャニーズに引き留めたのがSixTONES。彼がかつて、初めて得た仲間たちでした。

 

ジャニーズでは、少年時代からの共同体を大人になるまで継続することで、擬似的に少年時代をも継続させ、精神的に大人になる期限を引き延ばします。私たちも10代のうちはクラスや部活動で共同体を作りますが、大人になればまた違った、ビジネスの共同体に入ります。一般人が10代からの友人とずっと一緒に活動するなんてことは稀です。

大人になるのを阻止するには、大人になりきってしまう前に所属した共同体が必要だったのです。だから解体期後に全く新しいメンバーでグループを組んでも、成長を止める効果は薄かったでしょう。しかし幸いなことに、慎太郎にはバカレアの仲間たちがいました。

慎太郎が10代のうちにバカレアをやらなかったら、もしかしたら、もう慎太郎の中には「少年」が残っていなかったかもしれない。そう考えると、運命や奇跡ってあるものだなと感じます。

 

 

SixTONESの慎太郎は、末っ子らしくわんぱくに暴れ回っていますね(笑)

頑固だったり、意味わかんないこと言ったり、声量バカだったり、彼が安心して少年らしいところを見せられるのは、このメンバーだからこそです。信頼関係があって、ノリがわかってて、ちゃんと回収してくれる。いやぁ、本当に何度も言うけど、慎太郎にSixTONESがいてよかった。

 

じゃあバカレアの時にデビューすればよかったかというと、それも違うと思います。もちろん本人たちが言うように「天狗になっていた」というのもありますが、何よりも、あの時点では慎太郎がセンターだったからです。

年上の5人もまだ未熟だったのに、それまで散々いろんなものを背負ってきた慎太郎がセンターまで背負うとなったら、どうなっていたことか。 誰かが背負いすぎたグループはバランスが取れなくなりますからね。

 

そう考えると、6人の中では比較的遅咲きのジェシーがセンターというのはとても意味のあることです。急いで大人になろうとしても、急拵えの成長は少しずつ歪んでしまう。しっかりと自分に向き合って、段階を踏んで大人になったジェシーは、安定感があります。まだ私にはそこへ踏み込むことができませんが、ジェシーには独自の哲学がある。大人とか子供とかいう尺度では測れない哲学です。

ジェシー論とか、いつか書くんだろうか……私には書ける気がしません。

あるいは、一番後輩でいわゆる「普通」の感覚を持った髙地が最年長なのも効いています。ゆごじぇって安定してますよね。メンバーが頼りたくなるのもわかります。

 

 

 

最後に少し勝手な、本筋から逸れた話をしてみます。慎太郎って、私の個人的な所感ですが、例えば「北斗はジェシーがめちゃめちゃ好き」とか、「樹はきょもに甘い」とか、「ゆごじぇは親友」とか、そういった1:1の関係性に一番執着しない人のように思うんです。あまり心を開かないと書きましたが、慎太郎はみんなと仲がいいけれど、全員と平等に距離を取っていて、誰にも踏み入れさせない領域があるように見えます。依存しないように、そして依存されないように。それは彼の少し冷めた恋愛観にも表れています。

それが、ファンとしては少し寂しかったりもします。よく思うんです、もしSixTONESに何かあったら、慎太郎はまた「まあ、このグループもそんなもんだよな」と諦めてしまうのではないかと。

根拠のない不安ですし、本人は笑って打ち消すかもしれません。でも、私はこれ以上慎太郎に何かを諦めてほしくない。

1:1のかわりに、SixTONESそのものが、慎太郎にはかけがえのない居場所なのだと思います。それはそう。唯一、ありのままでいられる場所だから。だから、SixTONESがなくなってほしくないな。もう、慎太郎一人のためだけにでも(笑) この記事を書きながら、自担でもないのにそれくらいの感情になってしまいました。SixTONESがこれから先ずっと、慎太郎の味方でありますように。

 

 

 

メンバーそれぞれがいろんな経験をして、「大人になってしまった」SixTONES。大人になったからこそ、自分たちの意志をうまく貫き、ただの操り人形ではない、新しいアイドル像を開拓できるという意義もあります。でもそれは彼らの半分。もう半分、メンバーとふざけ合う時の6人は、やんちゃな少年たちのままです。

心の半分だけ時を止める。ちょっと特殊で、でもとてもジャニーズらしいグループだと思います。ずっとずっと、末っ子慎ちゃんがでっかい声でわけわかんないことを言えますように。ロケバスの中で急にゲームが始まったり、ジェシーと慎太郎がボケを応酬したり、樹が爆笑して崩れ落ちたり、MCが長引きすぎてマイクと照明を消されたり、そんなバカバカしい日常がずっとずっと続きますように。

 

 

SixTONES、結成5周年おめでとう。

出会ってくれて、もう一度集まってくれて、6人で生きていくと決めてくれてありがとう。

最強で最高の6人です。ずっとずっと、ついて行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 次回のブログはいつになるかな! お楽しみに!!