ジャニーズと“ストーンズ”
一部界隈の話題とは無関係に、もともといつか書こうと思っていた内容です。とはいえこのタイミングにしたのは、それなりに一部界隈を意識してはいますが。
ドのつく新規なので、私がスト担になって初めてのオリジナル曲は〈Rollin'〉だったのですが、SixTONES(ストーンズ)に〈Rollin'〉を書いた作詞家さん、どんな気分だったんだろうな……
洋楽に関して無知なので、ストーンズ——The Rolling Stonesについては、「とにかくすごいバンド」という認識しかありません(ごめんなさい汗)。そんな私でもこれは意識しとるだろ……と思うくらいなので、実際のところどうなんでしょう……?
SixTONESだけを見ても勝手な憶測の域を出ないので、お得意の昭和ジャニーズを持ち出します。それにしたって「こんなこともあったんだよ」という程度のお話です。
ジャニーズの第1号グループは、ABC座の『ジャニーズ伝説』でもおなじみの初代ジャニーズ。そして第2号が、ジャニ伝の最後にも登場するらしい(観たことがないので……)フォーリーブスです。〈ブルドッグ〉はそれなりにジャニヲタしてる方はみんな知ってますよね。さらにそのすぐ後に、郷ひろみが続きます。
フォーリーブスが活躍したのは今からだいたい50年前、1970年前後のこと。当時の日本はグループ・サウンズという、ざっくり言えばバンドみたいなものがブームでした。そんな中で、歌って踊るグループは革新的。フォーリーブスは国民的スターとなり、「男性アイドル」の概念を確立させます。
そんなフォーリーブスの4人がコチラ。
左から順に、
「コーちゃん」こと北公次
「トシ坊」こと江木俊夫
「ター坊」こと青山孝(のち青山孝史)
「マー坊」ことおりも政夫
年齢は上から順にコーちゃん、ター坊、トシ坊、マー坊。
コーちゃんとター坊はすでに亡くなっていますが、トシ坊とマー坊は今もタレントとして活動なさっています。坊とか言いながら敬語使うのすごい違和感。でも敬愛の念を込めてあだ名で呼ばせていただきます。
たまらん。顔がいい。
そしてジャニーズ時代の郷ひろみさんがコチラ。
圧倒的顔面力。
郷ひろみさんのことは詳しく説明するまでもないでしょう。西城秀樹さん・野口五郎さんとともに新御三家として一世を風靡し、デビュー3年で事務所を移籍して以降ジャニーズは冬の時代になっちゃったよ〜くらいです。
なぜ50年前のジャニーズを引っ張り出してきたかと言うと、この時代のアイドルはライブで洋楽をカバーするのが当たり前だったんです。もちろんThe Rolling Stonesもよく歌われていました。
この時代、と言っても80年代くらいまでそうだったみたいで、少年隊(85年デビュー)がストーンズメドレーをやったり、男闘呼組(88年デビュー)もオリジナル曲のないJr.時代はバンドでカバーしたりしていました。元男闘呼組の高橋和也さん(ジャニーズ在籍時は高橋一也名義)は熱心なストーンズファンだそうで……ジャニーズがストーンズを歌ってきたこと自体和也さんのインタビューで知ったんですけども(笑)
↑ ストーンズの話は前編だけですが、ここから読めます。
和也さん曰く、ストーンズの楽曲の中でもよくジャニーズがカバーしたのが〈ジャンピン・ジャック・フラッシュ〉。間奏でのコーちゃんのバク転が大好評だったのがきっかけだそう。
何を隠そう、コーちゃんこと北公次さん、アイドル史上初めてステージでバク転を披露した人物なのです。
コーちゃんのことを語り出したらこのブログが倍の分量になるのでやめておきます。そのかわり、フォーリーブスと郷ひろみのジョイントリサイタルの〈ジャンピン・ジャック・フラッシュ〉の音源があったので貼っておきます。
53分52秒からです。概要欄に秒数指定が並んでます。
日本ロック大系その79 『70年代歌謡歌手により海外カヴァー曲』
このレコードの25番目に収録されてますね。↓
レコードプレーヤーとか持ってるわけないので動画があってよかった……
本当はフォーリーブスの曲もいろいろ貼りたいんですが、本筋とずれるので自重しときます。先程の動画、1分56秒からフォーリーブスのThe Temptations〈ゲット・レディ〉カバーなのでそれだけでも聴いてください。1番が全部ター坊ソロなんですが、こ〜れがうまいのなんのって! 個人的に歴代ジャニーズの歌唱力四天王は青山孝・錦織一清・堂本剛・大野智だと思ってますよ。すばると赤西くんはまた別枠。
というわけで、歴代ジャニーズが歌ってきたThe Rolling Stones、ジャニーさんが意識してないわけがないんです。まあこれは憶測の域を出ませんが、おそらく、SixTONESの名付けにも関わっているのではないかなと。
最初にsixtones(シックストーンズ)の名前を思いついた時は、もしかしたら意識していなかったかもしれません。でもジャニーさんはそれを「ストーンズ」に直しました。長いからというのが理由でしたが、正直他のグループと比べたらそう長くもありません。それなのにわざわざ駄々をこねて、ixの発音を抹消してまで「ストーンズ」にしたのは……少なからず、The Rolling Stonesをリスペクトしてのことではないかと。私はそう思うのです。
The Rolling Stonesに関する知識が全くないのでフォーリーブス経由でしか語れず申し訳ないのですが、もう一つ、フォーリーブスとSixTONESを繋げるものがあります。
『少年たち』です。
何を隠そう(2回目)、舞台『少年たち』の初演はフォーリーブスが行いました。
こちらの記事にフォーリーブスの『少年たち』について詳しく書かれています。
出演者が少ないので房同士の対立とかはありませんが、少年院を脱走しようとして一人死ぬのは同じですね。すみません、ドドド新規なので現代の『少年たち』は映画版しか観てないです。
でも映画版こそジャニーさんの集大成(戦争と平和のメッセージ的にではなく“ジャニーズ”という組織そのものにおいて)なんじゃないかと思うので、とりあえず映画版=現代の『少年たち』ということで話を進めさせてください。
初演の『少年たち』での“死ぬ役”は、コーちゃんでした。
見てくださいよ、この天使とダイヤモンドのハーフっぷり。
たまらん……
さっきやめといたのに、やっぱりコーちゃんを語ることになりました。口数の少ない天然ぽやぽやなコーちゃんですが、実は激しく生きた男。テレビで初代ジャニーズを見て、「自分なら得意のアクロバットでもっと人気になれる」と上京。初代の付き人を経てデビューした、事実上のジャニーズJr.第1号なのです。ちなみに、コーちゃん以外の3人は子役や芸能人育成学校出身です。
グループでは年上ですが、可愛らしく透明感があり、トークはメンバーに任せっきり。そして実は芯が強く直情型。なんだか、彼に似てませんか?
絶対地上のものじゃない血が入ってるだろ、っていうこの感じ。
映画『少年たち』の“死ぬ役”が京本大我だったのは、ジャニーさんが彼にコーちゃんを重ねていたからではないかと思うんです。まあ京本さんは全くアクロバットできませんが(笑)
えびきす少年たちで死んでた戸塚くんも透明感と破天荒さには事欠きませんよね!
ジャニーズ作品における“死ぬ役”の考察は一度真面目にやってみたいんですが、いかんせんJr.はドドドドド新規のためジャニーズ舞台をひとつも観ていないという……どなたかお詳しい方、歴代ジャニーズ舞台の死ぬ役一覧作ってください……
話が迷子になりましたが、なんとな〜く言いたいのは、ジャニーさんがsixtonesを「ストーンズ」と発音させるのを閃いた時、その頭の中にフォーリーブスがあったのではないかということです。
コーちゃんと似た雰囲気を背負った京本大我。それだけではなく、ター坊を筆頭に高い歌唱力を持っていたフォーリーブスと、sixtones=「6つの音色」それ自体も重なったのかもしれません。元バカレア組の6人がフォーリーブスに重なったその時、ジャニーさんは彼らに『少年たち』を継がせると決めたはずです。
……いや、まあ、舞台版スノスト少年たちで死んでたのはジェシーだって知ってますよ!!! 論の破綻すんません!!! でもたぶん舞台版って少年たちそのものというよりも戦争と平和のメッセージのほうに重きを置いてますよね。なら映画版がジャニーズ作品的には完成品でいいやん!! ダメ??
あともっと回りくどい話をすると、コーちゃんの「北公次」という芸名の「北」、これジャニー喜多川の「喜多」からとってるんですよね。コーちゃん、バッチバチにジャニーさんから呪われている。フォーリーブス自体もコーちゃんをデビューさせるために作られたグループですし。
北公次の「次」は男闘呼組の「成田昭次」(本名は昭二)に受け継がれるんですが、昭次さんも『ロックよ、静かに流れよ』という男闘呼組主演の映画で“死ぬ役”をしています。コーちゃん→昭次の“死ぬ役”の血筋、いっちばんジャニーさんに呪われてるんです。すいません、ジャニーズの宿命性を信じてるので呪いとか血筋とかいう言葉を使いがちです(笑)
男闘呼組のデビュー時、事務所側が雑誌に「フォーリーブスの再来です」と言ったらしく、それをのちにメンバーが笑い飛ばしている記事があるのですが、男闘呼組≒フォーリーブスってそれあながち間違いじゃないかもなと。
で、男闘呼組とSixTONESについてはこちらに書いています。
フォーリーブス→男闘呼組→SixTONESは あ る !!!!!!
オタクの妄言すいません。(笑)
しかしフォーリーブスから男闘呼組までジャニーズの傍らにあったThe Rolling Stonesの楽曲、平成に入って(たぶん)めっきり歌われなくなりましたが、そこでジャニーさんが持ち出してきたわけなんですよ。「ストーンズ」という名前を。
SixTONES結成時に現実的な世界進出が想定されていたとは考えにくいですが、「ストーンズ」という名前にはThe Rolling Stonesへのリスペクト、そしてすでに大きな「ストーンズ」のいる世界への挑戦の意味が込められているのではないかと、私は個人的に思っています。
ジャニーさんがまだおじいちゃんでなかった頃からあれだけいろんなグループが歌っておいて、「ストーンズ」があのストーンズを全く意識していないなんてことはさすがにないかなと。
先程リンクを貼ったブログにもSixTONESの背負ったジャニーズの歴史を書きましたが、男闘呼組よりもさらに20年遡った、事務所設立間もない頃のジャニーズをもSixTONESは背負っているかもしれないのです。
いやはやしかし、初代ジャニーズと同年に結成されたThe Rolling Stones、今まで解散も休止も一度もせずに活動し続けてるのヤバいっすね。凄すぎ。ジャニーズの歴史はこんなにうねりまくったというのに。ジャニーズとストーンズの誕生が1962年なので、今年で58年目ですよ……ヒィ……
とはいえ、今では世界の「ストーンズ」であるThe Rolling Stonesも、その名前の由来はマディ・ウォーターズの〈Rollin' Stone〉だそうなので……まあ転がる石は誰のものでもないということで(笑)
「ストーンズ」といえばThe Rolling StonesかSixTONESか、ぐらいな世界を目指していきたいですね。夢はでっかく。では今回はこのへんで。